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アフロ・グルーヴ・クイーン マヌ・ガロ [西アフリカ]

Manou Gallo Afro Groove Queen.jpg

うぇ~い! カッコえぇ~!!
元ザップ・ママのベーシスト、マヌ・ガロが昨年出していた4作目、サイコーっすね!
1年以上も前に出てたのかぁ。気付いている人、誰かいた?
『アフロ・グルーヴ・クイーン』ってドンピシャなタイトルに、このジャケ!
いや、もう、なにをかいわんやでしょう。
ブーツィー・コリンズとチャックDをゲストに呼んだアフリカのアーティストって、
彼女が初じゃないの?

ぼくがマヌ・ガロに注目したのは、ジンバブウェのモコンバのデビュー作がきっかけ。
あのアルバムをプロデュースしたのが、マヌ・ガロだったんですけれど、
その抜きんでたポップ・センスには目を見張りました。
https://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2012-12-29

パン・アフリカンなコンテンポラリー・ポップスを作り出す
アフリカ人プロデューサーといえば、
かつてはカメルーン出身のマヌ・ディバンゴがいましたけれど、
マヌ・ガロはそのマヌ・ディバンゴと同じ系譜に連なる人ですね。

マヌ・ガロはコート・ジヴォワール出身ですけれど、
コート・ジヴォワールやカメルーンには、
パン・アフリカンな視点に立ったクリエイターを輩出する土壌が昔からあって、
マヌ・ガロもまさにそんな一人といえます。

そのマヌ・ディバンゴも1曲ゲストで参加した本作、
痛快なアフロ・ファンクが全編で炸裂しまくります。
呼び物は、ブーツィー・コリンズがゲストに加わった4曲で、
なかでもチャックDを交えたトラックがクールですねえ。
ほかにも、マリー・ドルヌやサビーヌ・カボンゴなどザッパ・ママのメンバーたちに、
ビート・ボックスも加わったア・カペラ・コーラスも聴きものです。

でも、ぼくが一番興味をひかれたのが、
故国コート・ジヴォワールのエルネスト・ジェジェに捧げたインストのトラック。
ジェジェは70年代にベテ人の伝統ダンス音楽ジグリビテイを、
モダン化したクリエイターでした。83年にジェジェが亡くなったあと
ジグリビテイを継ぐ者は現れませんでしたが、
80年代末にコート・ジヴォワールで大流行したズグルー誕生の
呼び水となったことは間違いありません。

ズグルーはのちにクーペ・デカレへと発展しますが、
コート・ジヴォワールのダンス・ポップの一大潮流となったルーツにジグリビティがあり、
こうしたアフロ・ファンク色濃いグルーヴがベースにあったことを再認識させられます。
パン・アフリカンなサウンドながら、そこにはコート・ジヴォワールの伝統リズムが
しっかりと生かされているんですね。

Manou Gallo "AFRO GROOVE QUEEN" Contre-Jour CJ033 (2018)
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