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アムハラ演歌の華 ハメルマル・アバテ [東アフリカ]

Hamelmal Abate  KEMSHA.jpg

姐さん、お帰りなさいましっ!
エチオピア演歌の女王ハメルマル・アバテ、6年ぶりの新作です。
13年の前作“YADELAL” も7年ぶりでしたけれど、待たせますねえ、この人は。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2013-11-28
待っただけのことはある、今作は会心の出来ですよ。
アスター・アウェケの新作と同時期の発売というのは、前回と同じですね。

いやぁ、それにしても、このこぶし回しの気持ち良さといったら!
背中がぞくぞくしますね。
今回一緒に若手の男性歌手のアルバムをたくさん買ったんですが、
どの人もライト・タッチの歌い方をするコンテポラリー・ポップ・タイプだったので、
ずっとそういうスムースなヴォーカルばっかり耳にしたあとで、
ハメルマル姐さんのど演歌なこぶしを聴くと、沁みる、沁みる。
5曲目‘Enetarek’ のサビで炸裂させるこぶしには、昇天しました。

今作もアバガス・キブレワーク・シオタのプロデュースは快調。
アレンジャーには、シオタ以外5人が起用されていて、
シオタがアレンジしたのは3曲のみ。
アディス・フェカドゥが6曲と一番多く担当しています。

前作は鍵盤代用のホーンでしたけれど、
今回はサックス奏者がクレジットされています。
ホーン・セクションは鍵盤ですけれど、そこに生のサックスが加わると、
がぜん圧が違ってきますね。

民謡調の曲ではアコーディオンを効果的に使っているほか、
マシンコやクラールも大々的にフィーチャー。
9曲目‘Say Mado’ではアコーディオンとマシンコの伴奏をメインに
情深い歌いぶりを聞かせ、ラスト・トラックの‘Yene Bite’では、
マシンコとクラールのみをバックに、ブルージーな味わいの泣き節を聞かせます。
シオタがこんなシブいアレンジをするのは、ちょっと意外でした。

全14曲収録時間78分超というヴォリュームに、捨て曲なし。
アップにスローに硬軟使い分け、前作をはるかに凌ぐ力作、
アムハラ演歌の華を輝かせた傑作です。

Hamelmal Abate "KEMSHA" Amel Production no number (2019)
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