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半世紀越しのバマコ=ハバナのランデヴー マラビージャス・デ・マリ [西アフリカ]

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マラビージャス・デ・マリが復活!
こりゃ、オドロキの企画です。
なんでもフランスの新人映画監督のデビュー作となる
ドキュメンタリー映画と連動したアルバムで、
映画は8月にフランスのルサス映画祭で初公開されたそうです。

マラビージャス・デ・マリは、マリ初代大統領のモディボ・ケイタが
推し進めた文化政策によって、キューバで誕生したマリの名グループ。
共産主義の同盟国だったキューバ政府から招待を受けたマリ政府が、
国内選りすぐりの音楽エリート10人を、
ハバナのアレハンドロ・ガルシア・カトゥール音楽院へ
64年に留学させたのが、事の起こり。

音楽院では、オルケスタ・アラゴーンの音楽監督のラファエル・ライにみっちり仕込まれ、
実力や本人の努力が足りず、マリへ送還される脱落者が出たものの、
厳しい指導に耐えた7人のメンバーで、65年にボンカナ・マイガがリーダーとなり、
マラビージャス・デ・マリを結成します。

ハバナのギネア大使館で初公演をしたのを皮切りに、
アフリカ各国大使館の独立記念日に招かれて演奏し、
ボンカナ・マイガが作曲した‘Rendez-vous Chez Fatimata’ は、
アフリカ独立を祝うアンセムとして、グラン・カレの‘Indépendence Cha Cha’ と並ぶ
人気曲となりました。

Les Marveilles De Mali.jpg

67年にキューバのエグレム社へ録音した初LPには、
その‘Rendez-vous Chez Fatimata’ はじめ、‘Africa Mia’ ‘Boogaloo Sera Mali’
‘Radio Mali’ ‘Maravillas De Mali’ ‘Lumumba’ ‘Andurina’ など、
今回再演された曲のオリジナル録音が収録されています。
CDジャケットには11人のメンバーが映り、クレジットには13人の名が連ねられていますが、
EPには7人のメンバーで写っていて、
フルートを吹くボンカナ・マイガがメインのスリーヴもあります。

Maravillas De Mali K45-29 EP.JPG   Maravillas De Mali_K45-31.jpg

そして、新作はマラビージャズ・デ・マリのリーダーのボンカナ・マイガをはじめ、
ピアノのカリル・トラオレ、ベースのサリフ・トラオレ、ヴァイオリンのアリウ・トラオレ、
パーカッションのバー・タポが集まり、16年にハバナのエグレム・スタジオで、
キューバのミュージシャンととともに、センションが敢行されたのですね。
半世紀ぶりのマラビージャズ・デ・マリの録音には、キューバ人ミュージシャンも参加し、
かつてゴンサロ・ルバルカーバを支えたことでも知られる名ベーシストの
フェリーペ・カブレーラが音楽監督を務め、マノリートのグループで活躍するフルート奏者
ダビッド・ベンコモ・グエデスなどの名手たちが加わっています。

本格的なキューバン・サウンドを聞かせるハバナ・セッションのほか、
同16年にバマコで行われた、ローカル色いっぱいの、
いなたいアフロ・ラテン・サウンドを満喫させるセッションに加え、
モリ・カンテがゲストでオーヴァーダブしたトラックや、
キューバのラップ・グループ、オリシャスのシンガー、ロルダン・ゴンサーレスや、
マリ人マヌカンで歌手のインナ・モジャがフィーチャーされるリミックス・トラックも含む17トラックを収録。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2016-01-17

15年以上の歳月をかけて完成したという
リシャール・ミニエ監督によるドキュメンタリー映画、
9月からフランスでは一般公開もされたそうで、う~ん、観てみたいですねえ。

Las Maravillas De Mali "AFRICA MIA" Decca 776043-9 (2019)
Maravillas De Mali "MARAVILLAS DE MALI" Mélodie 08968-2 (1967)
[EP] Maravillas De Mali 'Wa Honou Go / Tema De Boncana' Kouma K45-29 (1972)
[EP] Maravillas De Mali 'Maravillas De Mali / Andurina' Kouma K45-31 (1972)
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