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唯一無比のアヴァンギャルド・ジャズ・ドラマー ロナルド・シャノン・ジャクソン

Ronald Shannon Jackson  Street Priest.jpg   Ronald Shannon Jackson  STREET PRIEST  LP.jpg

ひさしぶりに“BLACK ROCK” を聴いたおかげで、
すっかりウルマー祭りとなっております。
“NO WAVE” “ARE YOU GLAD TO BE IN AMERICA?” と続けたら、
ロナルド・シャノン・ジャクソンのドラムスがもっと聴きたくなって、
“STREET PRIEST” に手が伸びました。

ロナルド・シャノン・ジャクソンのアルバムで一番聴き倒したのは、やっぱりこれかなあ。
8年前にシャノン・ジャクソンのお悔やみ記事を書いた折、
“STREET PRIEST” がCD化されていることに気付いて、
おぃおぃ、いつの間にCD化してたんだよと、
ひとりごちしながら、あわてて入手したんだっけ。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2013-10-23
CDジャケットの写真は、LPと別のカットに差し替えられていて、
メールス盤CDでは珍しく、デジパック仕様となっていたんですね。

お悔やみ記事に82年の”MAN DANCE” を掲げたのは、
吉田カツのドローイングが、シャノン・ジャクソンの音楽の本質を見事に描き切っていて、
弔意を示すのにふさわしいジャケットだと思ったから。
でも音楽的内容では、なんといっても“STREET PRIEST” が最高ですよ。

その理由はといえば、作編曲の良さ。
ツイン・サックスにツイン・ベースという特異な編成と、
シャノン・ジャクソンの手数の多いドラミングをフルに活かした
コンポジションとアレンジに、まったくスキがないのが、本作の傑作たるところ。
逆に言えば、他のデコーディング・ソサエティのアルバムでは、
なにかしらちょっとした不満が、それぞれあるんですよね。
“MAN DANCE” にせよ、“NASTY” にせよ、“BARBEQUE DOG” にせよ。

もたったり揺らいだりするリズムにのせて、アブストラクトな音列を、
リー・ロージーのソプラノ・サックスとゼイン・マッセイのアルト・サックスが、
ユニゾンで吹く変態的なテーマに、病みつきになったんだよなあ。
ロック・ドラムとも、フリー・ジャズのパルスとも違う、
マーチング・ドラムがフリー・ジャズに異化したかのような
シャノン・ジャクソンのタテノリのドラミングは、いまだに謎なんであります。

インプロヴィゼーションになると、
フリーキーなサックスと、引っかかりのあるベースが有機的に絡みあい、
その合間を、ヴァーノン・リードの轟音ギターがなめらかに縫っていく場面など、
いまだ実体のよくわからない、ハーモロディクスの片鱗を味わうことができます。
メルヴィン・ギブスとブルース・ジョンソンの2台のベースのヘテロフォニックな動きが、
すごくカッコイイんだよなあ。

ゆいいつスローな‘Sandflower’ だけが、ブルース・ジョンソンにベースの役割を任せ、
ゆったりとしたサックスのソリをバックに、
メルヴィン・ギブスがリード・ギターのように細かなパッセージのソロを取っています。
アルバム中、ゆいいつ抒情を漂わせたオーセンティックなスタイルのトラックで、
テキサスのフォーク・ルーツを感じさせるメロディに、グッときますよ。

続く‘Hemlock For Cordials’ では、リー・ロージーとゼイン・マッセイの二人が
テナー・サックスに持ち替えて、冒頭から吠えまくり。
ハイ・トーン中心にキーキー鳴らすロージーと、
低音中心にパワフルなブロウを聞かせるマッセイが対照的なプレイを聞かせます。
そしてラストの‘Chudo Be’ では、サックス、ベース、ギターが同時に
インプロヴィゼーションを繰り広げる集団即興のパートから、
一転リズム・チェンジしてソロ・リレーに移るという趣向が、スリリングですよねえ。

あぁ、やっぱ、このアルバム、サイコーだわ。
あまりに唯一無比すぎて、シャノン・ジャクソンを継ぐ人が現れないのも
無理ないと思わせる、アヴァンギャルド・ジャズの驚異的なドラマーだったのでした。

Ronald Shannon Jackson and The Decoding Society "STREET PRIEST" Moers Music 03002CD (1981)
[LP] Ronald Shannon Jackson and The Decoding Society "STREET PRIEST" Moers Music MOMU01096 (1981)
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