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前線復帰したソノーラ・ポンセーニャ [カリブ海]

Sonora Ponceña  HEGEMONÍA MUSICAL.jpg   Sonora Ponceña  CHRISTMAS STAR.jpg

そして、パポ・ルッカ率いるソノーラ・ポンセーニャですよ。
そういえば、ルイス・ペリーコ・オルティスとパポ・ルッカって、同い年くらいなんでは。
ふと気になって調べてみたら、ペリーコは49年生まれ、パポは46年生まれでした。

天才少年ピアニストとして、パポは幼い頃から
父キケ・ルッカが設立したソノーラ・ポンセーニャで活躍し、
68年にわずか22歳で音楽監督となったんですからね。
実質的なリーダーとして70年代サルサのサウンドを先導し、
80年代のポンセーニャ黄金時代を築いたんでした。

さて、そんな話も、もはや昔話。
ソノーラ・ポンセーニャの名を見聞きしなくなってしばらく経ちますが、
パポ・ルッカが体調を崩していたようですね。
しばらく休養を取り、復調して万全の態勢で制作したという
9年ぶりのカムバック作“HEGEMONIA MUSICAL” と、
クリスマス・アルバムの“CHRISTMAS STAR” を聴くことができました。

先に入ってきたのは、クリスマス・アルバムのほう。
これまでもポンセーニャはクリスマス・アルバムを3枚出していますけれど、
今回は80年の名作“NEW HEIGHTS” とジャケットが激似。
クレジットがありませんが、80年代のポンセーニャのジャケットを描いてきた
ロン・レヴィンによるもので間違いないでしょう。

サルサ・アレンジで仕上げたインストの‘Santa Claus In Comming’ が
パポ・ルッカならではの仕上がりで、頬がゆるんじゃいました。
これまでにも、ホレス・シルヴァーの‘Nica's Dream’ をマンボにしたり、
‘Night In Tunisia’ や‘Mack The Knife’ などのジャズ・チューンを
粋なサルサにして聞かせてきた、パポらしい快演になっています。

そして遅れて入ってきたのが、クリスマス・アルバムより先に出ていた
復活作の“HEGEMONIA MUSICAL”。
華やかなトランペット・セクションの鳴りや、スウィング感溢れるノリは、
これぞポンセーニャのサウンドですよ。
カンタンテ陣が「ソノーラ・ポンセーニャ」を連呼するなど、
前線復帰を高らかに宣言しているかのようで、嬉しくなるじゃないですか。

パポ・ルッカのピアノが大活躍するインスト演奏の‘Caminanndo Con Mi Padre’ は、
「父と歩む」の曲名のとおり、亡くなったキケ・ルッカへオマージュを捧げた曲。
コーラスが「パポ・ルッカ! パポ・ルッカ!」と煽って、
パポにソロをうながすく‘Nadie Toca Como Yo’ では、
ピアノ・ソロとユニゾンでスキャットを聞かせるウィットに富んだプレイが最高です。

Sonora Ponceña "HEGEMONÍA MUSICAL" La Buena Fortuna no number (2021)
Sonora Ponceña "CHRISTMAS STAR" La Buena Fortuna no number (2021)
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