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クレオールの誇り ジョー・ホール [北アメリカ]

Joe Hall & The Cane Cutters  AYE CHER CATIN.jpg   Joe Hall & The Louisiana Cane Cutters  PROUD TO BE A CREOLE.jpg

ザディコだけでなく、ケイジャンを含む
幅広いクレオール・ミュージックを身上とするジョー・ホール。
19年作の“AYE CHER CATIN” では、ジョーが弾くアコーディオンに、
ツイン・フィドル、ギター、ベース、ドラムスによるほがらかなグルーヴが、
なんともほっこりとしていて、田舎気分を味わえるアルバムでした。
ときどき調子ぱずれになる武骨なヴォーカルも、ほほえましかったなあ。

そのジョー・ホールの新作タイトルは、「クレオールであることを誇りに思う」と、
まさにジョー・ホールらしいマニフェストを謳っていますよ。
前作とメンバーが変わり、ベースにザティコのヴェテラン、
チャック・ブッシュが入ったことで、バンド・サウンドがグッと引き締まりました。

チャック・ブッシュは90年代のザディコ・シーンを賑わせたボー・ジャックのバンドで、
ボーとともにヌーヴォー・ザディコを作り上げた立役者。
大きくうねるチャック・ブッシュのベースが入ったことで、
ポール・レイヴェンのドラムスもすごくタイトになりました。
また、ゲストにセドリック・ワトソンのフィドルが加わったのも嬉しい。
このアルバムでは、フィドルばかりでなく、ラブボードもプレイしています。

レパートリーは、クレオールのマルディ・グラ賛歌‘Creole Mardi Gras’ から、
ボー・ジャックの‘Chere Mgnonne’‘Don't Tell Your Ma, Don't Tell Your Pa’、
ブーズー・チェイヴィズの‘Jolie Catin’ といったザディコ・ナンバー、
ケイジャン・フィドラー、キャンレィ・フォンテノーの‘Ta Robe Barrée’、
そしてケイジャンの大ヴェテラン、
カメイ・ドゥセットの代表曲‘Hold My False Teeth’ まで。
このオールド・ケイジャン2曲の選曲は、
セドリック・ワトソンの参加があってこそだったんじゃないかな。

ルイジアナで脈々と生きる、伝統クレオール・ミュージックを堪能できる
好アルバムです。

Joe Hall & The Cane Cutters "AYE CHER CATIN" Fruge FR20194 (2019)
Joe Hall & The Louisiana Cane Cutters "PROUD TO BE A CREOLE" Fruge FR20215 (2021)
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