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大人への階段を上った新作 ジュリー・ファウリス [ブリテン諸島]

Julie Fowlis  GACH SGEUL.jpg

待ちに待ったジュリー・ファウリスの新作が届きました。
11年にライヴ盤が出ましたけど、スタジオ録音は09年の“UAM” 以来だから5年ぶり。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2009-10-30
う~、毎度待たせてくれるよなあ。でも、そのおかげというか、
じっくり時間をかけて制作するからこそ、毎回聴きごたえのある充実作が出来上がるんですよね。

この新作ではオープニングの1曲目から、今までにない変化を感じました。
ギター、ブズーキ、フィドル、ベースなどの弦楽器を中心としたいつものアンサンブルに、
フィドルとヴィオラの4人によるストリングス・セクションをフィーチャーして音の厚みを加えています。
これまでのスキ間のあるサウンドではなく、中音域の豊かなサウンドが実にふくよかです。

ストリングス・セクションがフィーチャーされたこの1曲目が象徴するように、
ジュリーの歌声からは少女ぽい表情が消え、
大人の女性へと一歩階段を上ったのを感じさせますね。
これまでジュリーのアルバムというと、一にも二にも「みずみずしい」という言葉がついて出たのが、
今作では憂いや哀しみをそこはかとなく漂わせるようになり、
それがファットになったサウンドとあいまって、少女からの脱皮を実感させるのです。

2曲目の言葉遊びのようなマウス・ミュージックに、
同じスコティッシュ・ガーリックの伝統をひくカナダ、ケープ・ブレトンのヴェテラン女性歌手
メアリー・ジェーン・ラモンドを連想させるところなど、まさにジュリーの成長の証しでしょう。

今もっとも輝いているスコットランドの女性シンガー、ジュリー・ファウリスを、
プランクトンさん、ぜひ日本に呼んでくださ~い。

Julie Fowlis "GACH SGEUL - EVERY STORY" Machair MACH003 (2014)
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