SSブログ

オールド・マンデ・ポップ・フロム・ギネア イェロ・ケッスー・カンテ [西アフリカ]

Yero Kessou Kante.jpg

カマラ・プロダクションのCD? へぇ、これは珍しい。
パリ18区のバルベスで、アフリカ系移民向けの食料品店を経営していた
マリ人のカリー"カル"カマラが、80年代に設立したレーベルです。
このCDは見たことがなかったなあ。いつ出たんだろう?

カマラ・プロダクションは、アミ・コイタ、カンジャ・クヤテ、ジェネバ・セックといった
マリの名歌手たちのカセットを、90年代に多く出していました。
CDはほんの少ししかカタログにありませんでしたが、
クンバ・シディベとママドゥ・ドゥンビアのCDはマンデ・ポップの名作で、
『ポップ・アフリカ800』に載せました。

イェロ・ケッスー・カンテという名前は初耳ですが、
カンテというグリオ姓だから間違いないでしょう。
予想通りのハリのある声で、のびのびとグリオらしい歌声を聞かせてくれます。
ちょっと雑味のある声に、味わいのある人ですね。
バックはウチコミとシンセ使いのローカル仕様のプロダクションですが、
華やいだ女性コーラスを従えて、
グルーヴィなマンデ・ポップをたっぷりと味合わせてくれます。

経歴を調べてみたんですが、まったく情報がないんですよねぇ。
マリの人とばかり思っていたらギネア人で、どうやらプール(フルベ)のよう。
なるほどプールの笛が大きくフィーチャーされているわけですね。
カンテ姓はマンデ系の姓名と思っていましたが、プール人にもある名なの?
流麗なマンデ・ギターとウネりまくるベースが、聴きどころだな。
この二人がグルーヴ・マスターとなって、サウンドの骨格を作っています。

なんとこのCD、ちゃんと配信されていて、
配信のクレジットに従うと(あてになりませんが)04年作のようです。
アルバムはどうやらこの1枚しか出ていないみたい。
収録曲のヴィデオもいくつか作られているほか、最近のライヴの様子も
YouTubeに上がっているので、現在も活動している人のようです。
そのライヴでは、アコーディオンとジェンベの二人を伴奏に、
シェイカーを振りながら歌っていて、まるでターラブみたいでちょっとビックリ。

Yero Kessou Kante "YERO DEII YEROGBÉ" Camara Productions CD732 (2004)
コメント(0)