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お母さんはハンガリアン・フォーク・シンガー アグネス・ジグモンディ [東ヨーロッパ]

Agnes Zsigmondi  WATER WOMAN.jpg

面白い自主制作CDを見つけました。
ハンガリーのフォーク・シンガーの92年作で、
マウス・ハープやリコーダーのソロ演奏もあれば、
ギター、ベース、ドラムスが加わってジャズ寄りの演奏を聞かせる曲もあります。
ファーク・ジャズといった穏やかな演奏から、かなりアグレッシヴな演奏もあって、
さまざまなんですけれど、主人公の変わらない自然体ぶりが爽やかです。

その柔軟な対応力に、さまざまな音楽家との交流を経てきた
ヴェテランなのだろうなと思いましたが、
アグネス・ジグモンディはハンガリーの先進的なフォーク・アンサンブル、
コリンダで74年から78年までリード・シンガーを務めていた人なんですと。
コリンダ以前にもフォーク・ダンス・アンサンブルやロマ・バンドで歌っていて、
やはりキャリアのある人だったんですね。

なるほどねとナットクしたんですが、CDを見ていて気になったのが名前。
表にはアグネス・ジグモンディとだけ書かれていますが、
裏には、アグネス・ジグモンディ・マクレイヴンとあります。
「え? マクレイヴン?」
まさかと思ったら、いまや時の人マカヤ・マクレイヴンのお母さん。

えぇ~、まじっすか!?
アグネスはコリンダをやめたあとソロ活動に転じ、
ブダペストからパリへ活動拠点を移した時に、
アメリカ人ジャズ・ドラマーのスティーヴン・マクレイヴンと出会って結婚。
パリでマカヤ・マクレイヴンを生んで、85年に家族で渡米したのだそうです。

スティーヴン・マクレイヴンはマックス・ローチに師事し、
アーチー・シェップとともに活動したヴェテラン・ドラマー。
この自主制作CDには、スティーヴンがドラムス、パーカッションで参加しているほか、
トニー・ペローンのギター、ジョー・フォンダのベースという実力派が脇を固めています。

レパートリーはハンガリーやブルガリアの民謡やジプシーの伝承曲を中心に、
アグネスの自作曲も2曲あります。
アルバム最後は、コリンダのかつてのメンバーのペテル・ダバシが作曲し、
アグネスが作詞した ‘Lullaby’。
この曲はのちにマカヤ・マクレイヴンが一昨年出した
“IN THESE TIMES” でカヴァーしています。

アグネスは90年からは音楽教師となり、表立った活動からは離れたそうです。
そして2017年に教職を退職すると絵画を勉強し、
昨年初の個展を開くなど、音楽から絵画へと関心は移れど、
旺盛な創作意欲をみせているようです。

Agnes Zsigmondi "WATER WOMAN" no label no number (1992)
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