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アフロビーツに薫るギネア=ビサウのソダージ カリナ・ゴメス [西アフリカ]

Karyna Gomes  N'NA.jpg

14年に出たデビュー作ですっかり魅入られた、
ギネア=ビサウのシンガー・ソングライター、カリナ・ゴメス。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2020-10-02
おととしの9月24日、ギネア=ビサウの独立記念日に、
2作目がデジタル・リリースされたものの、フィジカルが出ている様子がなく
諦めていたんですけれど、CD出ていたんですねえ(大喜び)。

デビュー作はグンベーやマンジュアンダディなどのギネア=ビサウ音楽をベースに、
人力演奏のプロダクションでコンテンポラリーなサウンドを作っていましたが、
今作はエレクトロを多用したアフロビーツのサウンドに様変わり。
いまやアフロビーツは、ポルトガル語圏にも浸透するようになったのね。

がらっとサウンド・イメージは変わったものの、
胸に染み入るクレオール・ミュージック独特のせつないメロディを紡ぐ
カリナのしなやかな歌いぶりには、強く惹かれますねえ。

特に歌の上手いという人ではないんですけれど、
派手さのない落ち着いた歌いぶりで、
聴く者の耳を引き付けて放さない魅力のある人です。
アフロビーツの単調なビートをバックにしても、
カリナの歌い口からは複雑な色合いをみせる詩情が伝わってきて、
その美しさにクレオール・ミュージックの真髄を見る気がします。

そんなアフロビーツ・トラックのなかで異彩を放つのが、
ガーシュインの ‘Summertime’ 。
普段ならこういう凡庸な選曲に眉をひそめる当方ですが、このアレンジにはびっくり。
歌と伴奏のリズムを解体して、楽器のリズムをずらしたアレンジが超斬新。
アレンジしたのは、リスボンのプロデューサーで
フィリープ・スルヴァイヴァルという人だそうですけれど、スゴ腕だな。
この曲でカリナは、ティナという水太鼓を叩いています。

ラスト曲のタイトル ‘Sodadi’ とは、
カーボ・ヴェルデ・クレオールのソダーデ ‘Sodade’ と同義の、
ギネア=ビサウ・クレオールでの綴りでしょうか。
そんなソダージ感あふれる乾いた哀感が美しいアルバムです。

Karyna Gomes "N’NA" Kavi Music KAV00001/21 (2021)
コメント(2) 

コメント 2

うらかみみお

昨日の夕方のNHKラジオでカリナ・ゴメスのサマー・タイムを聴いて魅了されました。

詳細を発信していただいてありがとうございました。

取り急ぎお礼のみ。


by うらかみみお (2024-03-10 14:23) 

bunboni

なるほど、ラジオでかかったんですか。
きのうこの記事に200を超すページビューがあったので、何かあったなとは思いましたが、ナットクです。
by bunboni (2024-03-10 15:39) 

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