SSブログ

リーブルヴィル発バマコ経由リヨンから世界へ パメラ・バジョゴ [中部アフリカ]

Pamela Badjogo  YIÊH.jpg

レ・アマゾーヌ・ダフリークの初代メンバーだったパメラ・バジョゴ。
フランス、リヨンで活動するガボン人シンガー・ソングライターで、
16年にデビュー作、21年に2作目を出しましたが、
今年3作目となる新作が出ました。

Pamela Badjogo  MES COULEURS.jpg   Pamela Badjogo  KABA.jpg

デビュー作を聴いたときは、
カルメン・ソウザと似たタイプのジャズ・ヴォーカリストなのかなと思いましたが
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2013-10-09
2作目ではがらっとアフロビーツ色濃いサウンドに変わり、
パメラの歌もジャズ唱法をすっかりひそめてしまったので、
ポップスに方向性をシフトしたのは明らかですね。

新作も2作目の方向性を引き継いでいて、
両作のサウンドの仕掛け人は、ガーナ、ファンキー・ハイライフの大ヴェテラン、
パット・トーマス復帰後の2作をプロデュースした、クワメ・イェボア。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2015-06-21
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2019-12-07

クワメ・イェボアは、ギター・バンド・ハイライフの名バンド、
カカイク・ナンバー2・バンド(K.K's No.2)のリーダー、
A・K・イェボアの息子という二世ミュージシャン。
パット・トーマスのバンド、クワシブ・エリア・バンドで
バンド・マスターを務めるマルチ奏者です。

パメラの2作目でもクワメが鍵盤、ギター、ベース、ドラムスと、
ほぼ全楽器を担っていましたが、
新作では多くのミュージシャンを起用して生演奏を増やしたことで、
アフロビーツ色が後退し、よりコンテポラリーなアフロ・ポップ作となりました。

リヨンで活動するマリ人ベーシスト、エリゼー・サンガレが、
ベースだけでなく作曲でもパメラとコラボしていて、
クワメとともに今作のサウンドづくりをリードする役割を果たしたんじゃないかな。
パット・トーマスが客演した曲では、ハイライフのメロディーと
アマピアノのサウンドをミックスさせるという面白い試みが聞けます。

パメラは82年ガボンの首都リーブルヴィルに生まれ、
03年に微生物学を学ぶためにマリへ移住し、大学院を卒業してから、
バック・シンガーとして音楽活動を開始したという経歴の持ち主。
マリ人ミュージシャンとの縁が深いのは、マリでの体験が大きいのでしょう。

ジャズ・ヴォーカリストとしての資質を前面に打ち出したデビュー作で、
ジャズ系フランス人ミュージシャンとともに、
マリ人ヴェテラン・ジャズ・ミュージシャンのシェイク・ティジャーン・セックや、
セク奏者のズマナ・テレタ、セグー出身のバンバラ人歌手のババニ・コネなど、
マリのミュージシャンが多く参加していたのも、こうしたキャリアゆえ。

パメラの母語であるアカニギ語(パメラはンドゥム人)や、
ンゼビ語などのガボンのバントゥー系諸語に、フランス語、英語を駆使して歌う
パメラの歌は、アフリカ女性のエンパワーメントを多く取り上げているとのこと。
洗練されたサウンドにのるパメラのキリッとした歌いぶりから、
インテリジェンスが伝わってくるのと同時に、
しなやかな女性らしさがにじみ出てくるところに、とても惹かれます。

Pamela Badjogo "YIÊH" Raphia RAP004CD (2024)
Pamela Badjogo "MES COULEURS" no label no number (2016)
Pamela Badjogo "KABA" Raphia no number (2021)
コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。