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ルゾフォニア音楽生活四半世紀を駆け抜けて ドン・キカス [南部アフリカ]

Don Kikas  Livre.jpg

7年ぶりに出たカリナ・ゴメスのアルバムを制作したのは、
カヴィ・ミュージックというレーベル。
国際市場で通用するジャケット・デザインや印刷のクオリティから、
ポルトガルのレーベルなのかと思ったら、
レーベル・アドレスの末尾に gw とあり、どうやらギネア=ビサウ盤のよう。
ポルトガルとルゾフォニア向けのラジオ局、
RDPアフリカのロゴがあるので、協賛を得ているのでしょうね。

カヴィ・ミュージックは、カリナ・ゴメスのほか
アンゴラのキゾンバ・シンガー、ドン・キカスの新作も出ていて、
このレーベルはルゾフォニアのアーティストと広く契約しているようですね。
ドン・キカスのアルバムは、前に11年作を取り上げましたけれど、
それ以来聴くひさしぶりのアルバムです。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2015-10-21

ルゾフォニアで思い出しましたけど、ドン・キカスはマルチーニョ・ダーヴィラの
00年作 “LUSOFONIA” に参加していましたね。
キゾンバ100%の曲 ‘Hino Da Madrugada’ で、
マルチーニョを差し置きメインで歌っていました。

アンゴラ生まれ、ブラジル育ち、ポルトガルで音楽活動を開始したドン・キカスは、
まさしくルゾフォニアの音楽人生を歩んだ人といえます。
そのドンの新作 “LIVRE” は、カリナ・ゴメスのようなアフロビーツ色はなく、
キゾンバを中心に打ち込みと生音を絶妙にブレンドしたプロダクションで歌っています。

泣きのメロディに狂おしさをにじませるキゾンバの ‘Meu Paraíso’ ‘Basta’、
はつらつとしたズークの ‘Musa Benguela’、
ホーン・リフがキャッチーなセンバの ‘Numa Boa’ ではキレのある歌いっぷりを聞かせ、
いいシンガーだなあと思いますねえ。華がありますよ。

またゲストでは、
オランダで活躍するカーボ・ヴェルデ人シンガーのネルソン・フレイタスと、
アンゴラ在住のカーボ・ヴェルデ人歌手カルラ・モレーノという
二人の歌手を迎えていますが、このカルラ・モレーノというシンガーが素晴らしい。
ソロ作を期待したい人です。

アクースティックな音作りのトラックも、聴きごたえがあります。
生演奏によるセンバの ‘Bazuka’ ではアコーディオン、マリンバ、ハーモニカが大活躍。
また ‘Mamã Zungueira’ の初めと終わりのパートで、
ベルや太鼓がつっかかるような伝統リズムを繰り出すところも聴きもの。
このリズム名を知りたいな。

ドン・キカスはこのアルバムを出す2年前の20年に、
リスボンで音楽生活25周年記念のコンサートを開き、ボンガとティト・パリスという、
アンゴラとカーボ・ヴェルデの両ヴェテランがお祝いに駆け付けたとのこと。
ドン・キカスもすでにキゾンバのヴェテラン・シンガーですね。

Don Kikas "LIVRE" Kavi Music KAV00001/22 (2022)
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