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ルゾフォニアの多文化主義 ルーラ [西アフリカ]

Lura  Multicolor.jpg

15年作の “HERANÇA” 以来、すっかり音沙汰のなかったルーラ。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2015-11-30
あのアルバムの1年後に娘が生まれ、離婚してシングル・マザーになるなど、
多難な私生活によって音楽活動から離れていたようです。

ポルトガルとカーボ・ヴェルデの二重国籍を持つ ルーラですが、
新作を『マルチカラー』と銘打ったのは、ルゾフォニアの立場から、
みずからのアイデンティティとして多文化主義を描こうとしたとのこと。
それを象徴するのが、アンゴラのジャーナリストで作家・詩人の
ジョゼー・エドゥアルド・アグアルーサが作詞した ‘Sou De Cá’ で、
この曲がタイトルの由来になったのだそうです。

長年所属したルサフリカから新たなレーベルに移籍して出した新作は、
サウンドが一変しましたね。
オープニングのベース・ミュージックばりの重低音ベースには、ビックリしましたよ。
8分の6拍子のバトゥクの手拍子にぶっといシンセ・ベースが絡むので、
思わずノケぞったものの、これがなかなか悪くない仕上り。
柔らかな生音サウンドのテクスチャだったこれまでとは、えらい違いなんですけれど。

サウンドの方向性を変えたとはいえ、
パーカッシヴなリズムを強調したサウンドづくりは、
カーボ・ヴェルデ音楽の多彩なリズムを生かす、従来の路線と変わりありませんね。
カーボ・ヴェルデ音楽の原点に回帰したルーラが、
再出発にあたり多文化主義を描くなかで、新しいアレンジャーを選んだ結果なのでしょう。

ディノ・ディサンティアゴが1曲アレンジし、
アンジェリーク・キジョがゲストで1曲歌っていますが、特にコメントする必要はないかな。

Lura "MULTICOLOR" Produtores Associados PA001CD (2023)
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