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春輝くアイリッシュ・アコーディオン ダニー・オマホニー [ブリテン諸島]

Danny O’Mahony  IN RETROSPECT.jpg

春の陽気には、アイルランドのアコーディオンがよく映えるなあ。
全曲トラディショナルという、若手ボタン・アコーディオン奏者のソロ・アルバム。
アコーディオン、ブズーキ、ピアノ、バウロンという標準編成で、
ジグ、リール、ホーンパイプスを軽快に演奏しています。

ダニー・オマホニーはケリー出身のアコーディオン奏者。
11年にリリースした本作がデビュー作だそうです。
59年に結成されたシャノン・ヴァレ・ケーリー・バンドを復活させ、
11年に有名なフラー・キョール・ナ・エーランのコンペティションで優勝に導いたダニーは、
生粋の伝統派といえますね。

アルバムは正攻法といえる伝統スタイルの演奏を貫いていて、
豊かなアイリッシュの伝統の前に、ギミックなど無用といわんばかりの、
自信に満ちた堂々たる演奏を聞かせてくれます。
こういう音楽家が好きだなあ、ぼくは。
ダニーはB/C、D/D#、D/C#の3タイプのボタン・アコーディオンを弾いていて、
どれも30~40年代に作られたヴィンテージものだというクレジットがあります。

ブズーキの細やかなリズム・カッティングがさざ波のようなビートを送る中、
ダニーのアコーディオンが安定感のある揺るぎないリズムでフレーズを紡いでいくところは、
若手とは思えない重厚さがあり、音楽を一層豊かに聴きごたえのあるものとしています。
アイルランドの伝統音楽を聴いていると、毎度湧き上がる感想ですけれど、
音楽に新しさなんていらないとつくづく思います。

Danny O’Mahony "IN RETROSPECT" Danny O’Mahony DOMCD001 (2011)
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