マリオ・オルティスの45年

プエルト・リコで60年代から活躍してきたマリオ・オルティスが、
芸歴45周年を記念した新作をリリースしました。

ラテンはこういうアニヴァーサリー・アルバムを作るのがお約束のようなもので、
ゲストが絢爛豪華なのもお約束。
チェオ・フェリシアーノ、ヒルベルト・サンタ・ローサ、イスマエル・ミランダ、
アダルベルト・サンチアーゴ、ティト・アジェン、アンディ・モンタニエス、ボビー・バレンティン、
パポ・ルッカ、ロベルト・ロエーナなどなど、とても全部は書ききれません！
要するにプエルト・リコのオール・スターが集まっているわけです。

だからといってこのアルバム、ただの同窓会では終わっていませんよ。
チェオ、ヒルベルト、アンディなどヴェテランたちが気合の入りまくった歌を聞かせ、
ダイナミックなビッグ・バンド・サウンドも往年の60年代をホウフツとさせます。
アルバムの始まりと終わりに、60年代のラジオ・デイズを思わせる
サウンド・コラージュを施したのも、アニヴァーサリーを飾るいい演出ですね。

ライナーには63年のデビュー盤“ON THE ROAD”や
60年代のレモ盤のジャケットが飾られていますが、
これらのＣＤ化もぜひ実現してほしいものです。特に“ON THE ROAD”はぜひに！

Mario Ortiz All Star Band "TRIBUTO 45 ANIVERSARIO" Zamora Music Group 85263300201 (2009)

【訂正とおわび】マリオ・オルティスはすでに故人であり、このアルバムは父の遺志をついだ
父と同じトランペット奏者の息子がプロデュースしたものであることが、あとになりわかりました。
タイトルの「マリオ・オルティスの45年」や文中の「芸歴45周年」は誤りで、
正しくは「マリオ・オルティス・オルケスタの45年」「オルケスタの結成45周年」です。
たいへん申し訳ありませんでした。