SSブログ

ミシシッピ・ブルーズン・ファンク ボビー・ラッシュ [北アメリカ]

Bobby Rush Blind Snake.jpg    Bobby Rush_Sue.JPG

試聴機にウィリー・クレイトンと並んで置かれていた、
あまりに素っ気ないジャケットが目にとまりました。

絵に描いたような低予算仕様のインディ・アルバムに、誰のだこれと思ったら、
BOBBY RUSHと大きく白抜きの文字が。
おおおおお、ボビー・ラッシュ!
相変わらずチタリン・サーキットでがんばってんのかー。
嬉しくなって試聴してみると、ブルーズン・ファンカーぶりがまったく劣えてないじゃないですか。
チープなサウンド・プロダクションとはいえ、余計な音を重ねず、
がっちりとした骨格だけの音作りが潔く、胸がスカッとします。

ボビー・ラッシュって、もう70歳過ぎというのに、このタフなファンカーぶりには頭が下がります。
82年の“SUE”でノックアウトをくらって以来、はや四半世紀がすぎてるんですよねえ。
99年には来日し、チタリン・サーキット仕様の下世話な楽しさもイッパイな
ショーマンシップを発揮してくれたんでしたよね(観れなかったんだけど…)。
下世話でも下品にならないラッシュが好きです。

アルバムの中ほどに、アクースティック・ギターをかき鳴らすフォーキーなファンク・ナンバーがあって
突然思い出しましたけど、昔キザイア・ジョーンズという若者が登場した時、
そのあまりの線の細いファンクぶりに、ラッシュのツメの垢でも呑ませてやりたいと思ったものでした。

終盤に収められた、スライド・ギターの伴奏で歌うトーキング・ブルースもグッときます。
ラッシュが子供だった頃に、牧師だった親父さんがボーディ・ブルースを歌ってくれ、
それを耳にした母ちゃんが、子供相手になんて歌を歌ってんの!と叱りとばすっていう
ほほえましい逸話なんですけど、はからずも教会音楽とブルースの二律背反という、
黒人音楽伝承のウラ・オモテを写し取っています。

ところで、ブルーズン・ソウルとは言うのに、なんでブルーズン・ファンクって言わないんでしょう?
ラッシュみたいなヒップなエンタテイナーには、ファンク・ブルースなんて凡庸な言い方じゃなくて、
ブルーズン・ファンクって言ってあげたいです。

Bobby Rush "BLIND SNAKE" Deep Rush DRD1005 (2009)
Bobby Rush "SUE" LaJam LJ0001 (1982)
コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。