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バック・トゥ・ザ・ルーツ パンジャビMC [ブリテン諸島]

Souled Out.jpg    Indian Timing.JPG

バングラ・ビートは90年に仕事でロンドンへ出張していた折、
インド人街のサウソールへよく通っていたので、シーンの盛り上がりを体感することができました。
当時プロダクションはまだお粗末でしたが、ポピュラー音楽誕生期独特の熱気がはっきりと感じられ、
これは面白くなりそうという確かな予感がしたものです。

そしてナチュラル・レーベルの登場をきっかけに、
92年あたりからプロダクションのクォリティがぐんと上がり、
登場したバングラ・ビートの決定作が、
93年のパンジャビMCのデビュー作“SOULED OUT”でした。

これがバツグンにヒップな出来で、いやあ、震えましたねー。
ハーモニウムをフィーチャーしたフォークロアなサウンドとヒップ・ホップを合体させ、
トラックごとにラガやサンプリングしたクラシックの交響楽団をミックスするなど、
アイディアいっぱいの、とびきり新鮮なダンス・ミュージックを聞かせてくれました。

このアルバムが出た93年から95年ぐらいまでの間が、
バングラ・ビートが一番盛り上がった時期だったと思います。
パンジャビMCは94年にも来日したんですけど、
そのときは欧米のヒップ・ホップばかりかけるので、途中でやんなって、帰っちゃいました。

デビュー作のインドのフォークロアなサウンドは、コラージュにすぎなかったのか、
のちのパンジャビMCのアルバムからは消えてしまい、
ぼくもその後の彼にすっかり興味を失っていました。
十年近くの時間が過ぎ、すっかりその名も忘れかけていた03年に、
“THE ALBUM”で突然世界的なヒットを出したのには、タマげましたねー。
キッチュの極致ともいえる泥臭いパンジャビ演歌メロディはオッケーでも、
デシの重低音ベースや打ち込みのサウンドは、ぼくにはトゥー・マッチでした。

そんなわけで、ぼくにとってのパンジャビMCは、デビュー作1作だけの人だったんですが、
新作“INDIAN TIMING”はバック・トゥ・ザ・ルーツ的作品で、おおっと身を乗り出しました。
ぼくの苦手なデシっぽさは抑え目で、マンドリンやドーラックに、チャルメラ系の管楽器も多用した、
バック・トゥ・ザ・ルーツ的作品となっています。
そのせいかインドでもユニヴァーサルからリリースされ、日本にはインド盤が入荷しているようです。
とはいえ、全20曲収録時間79分超って、やっぱムダに長すぎ。
デビュー作の6曲36分弱の簡潔さが、かえって輝いてみえます。

Panjabi MC "SOULED OUT" Nachural NR0221 (1993)
Panjabi MC "INDIAN TIMING" PMC CDPMC001 (2008)
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