忘れじのレコード屋さん その2 【メロディハウス】 [レコード屋・CDショップ]
メロディハウスは、原宿の竹下通りにあった輸入盤屋さんです。
高校1・2年生の頃にガールフレンドを連れ、週末のデートがてらよく通いました。
クリスマスにメロディハウスで彼女とレコードをプレゼント交換したことがあって、
彼女はぼくにキャロル・キングの“TAPESTRY”を、
ぼくは彼女にジョニ・ミッチェルの“BLUE”を贈った思い出があります。
こっぱずかしい話ですが、ぼくも青春小説みたいなことをやってた若い頃があったんです。
で、その当時の竹下通りというと、今みたいにびっしりとお店が連なっていたわけでも、
人でごった返していたわけでもなく、お店は通りにぽつぽつあった程度で、ほかは民家でした。
今の竹下通りからはとても想像つかない、静かで落ち着いた通りだったんですよ。
時は70年代前半、メロディハウスは都内でいち早く
ロックやフォークの輸入盤が入荷するお店として有名で、
新宿レコードとともに、ぼくの行きつけのレコード屋さんでした。
そのメロディハウスで買ったレコードで一番記憶に残っているのが、
ロックでもフォークでもなく、ジャズ・ヴォーカルのレコードなんですね。
ジャズはお店の片隅に、申し訳程度しかなかったのですが、
店長の個人的趣味を反映した、ユニークなセレクトをしていました。
その中にあったのが、女性ジャズ・ヴォーカリスト、ジェーン・ハーヴェイのイギリスRCA盤です。
友だちがメロディハウスの店長にこのレコードを薦められて買ったのがきっかけで、
ぼくの友人たちの間で、一時期評判になったものでした。
背伸びをしたくなる年頃というんですかね。
当時、大人の雰囲気がするジャズ・ヴォーカルが好きになり、
リー・ワイリーの“NIGHT IN MANHATTAN”や、
ジューン・クリスティの“SOMETHING COOL”あたりを聞き始めた頃でした。
あまり知られていないレコードだと思いますが、
メロディハウスとジャズ・ヴォーカルという、妙な取り合わせもあいまって、
ぼくにとっては忘れられないレコードです。
[LP] Jane Harvey "JANE HARVEY" RCA LPL1-5030 (1974)
2009-11-13 06:22
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