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クアルッピの31年 [ブラジル]

Paulo Moura.JPG

ショーロ、サンバ、クラシックなどブラジルの良質な音楽を制作してきたクアルッピが、
CD売上減による経営難で31年の歴史に幕を閉じていたとは、ぜんぜん知りませんでした。
そういえばここのところ新作リリースがないなとは思ってましたが、
レーベルが消滅したと聞かされると、やはりショックですね。

ヴィラ=ロボス関係のクラシック方面でもこのレーベルのファンは多いと思いますが、
ブラジル音楽ファンにとってクアルッピといえば、なんといってもショーロでしょう。
たしかぼくがこのレーベルで最初に買ったのは、エポカ・ジ・オウロ、アベル・フェレイラ、
コピーニャ、アーサー・モレイラ・リマ、ジョエル・ナシメントらが一同に会したライヴ
“CHORANDO BAIXINHO”だったと記憶しています。

そしてクアルッピのレーベル・カラーを強烈に印象付けたアルバムは、
パウロ・モウラの“MISTURA E MANDA”でした。
いったいどんだけこのアルバムを聴いたことか。
ショーロのあらゆる魅力が詰まった最高の名盤だと思います。

クアルッピは他のレーベルで廃盤になったショーロ作品も、ずいぶん再発しましたね。
サンパウロのJVというマイナー・レーベルから81年にリリースされた
バンドリン奏者イザイアスの“PÉ NA CADEIRA”をCD化したり、
アントニオ・アドルフォのエルネスト・ナザレー集やエンリッキ・カゼスの初ソロ作など、
ミュージシャン自身による自主制作LPをCD化してきました。

CD時代になってからは、カジュ倒産後に、ラファエル・ラベーロとジノのデュオ作や
パウロ・モウラとラファエル・ラベーロのデュオ作を同じジャケットで再発していました。
あ、ほかにもRGEが倒産した後、RGEでリリースされた時にはほとんど注目されなかった、
バンドリン奏者ルイス・ナシフの“RODA DE CHORO”を新装ジャケットで再発しましたね。

ショーロ以外では、田中勝則さんがブラジルで最初に制作した
サンバ・アルバム3部作(ヴェーリャ・グァルダ・ダ・ポルテイラ、ウィルソン・モレイラ、
ネルソン・サルジェント)をリリースしたのも、クアルッピでした。

これほど充実したカタログを持ったクアルッピの消滅は残念でなりません。

Paulo Moura "MISTURA E MANDA" Kuarup KCD017 (1983)
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