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2010年アフリカン・ポップの最高作 バロジ [中部アフリカ]

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2010年上半期ベスト? いやいやいや、そんなもんじゃないですよ。
2010年最高作だと、はや宣言しちゃいましょう。
在ベルギーのコンゴ人ラッパー、バロジが、とんでもない傑作をものにしました。

「アフリカの年」から半世紀、コンゴ独立50周年を記念する今年にふさわしい、
コンゴ独立を祝うグラン・カレとアフリカン・ジャズの名曲、
“Indépendence Cha Cha”のカヴァーからアルバムはスタートします。
しかもバックは、故ウェンド・コロソイのバンドというこれ以上ない演出に、
オールド・ファンは泣くしかありません。

ラッパーのアルバムだというのに、全編生演奏なんだから、シビれます。
人力ならではのザラッとした音の質感と、アーシーなサウンドがたまりません。
オールドタイミーなホーンズをフィーチャーしたルンバ・コンゴレーズをはじめ、
バロジの強いこだわりで多くの曲にフィーチャーされたという、
バラフォンの響きも嬉しいじゃありませんか。

そして、なんといってもアルバムの最高の呼びものは、コノノNo.1と共演したトラックです。
YouTubeで話題沸騰となった、埃まみれのキンシャサのストリートでラップする、
バロジのクールなことといったら!
フォルクロールに眠る霊魂が蘇り、バロジに憑依したかのようです。

DVDには、この曲とさきほどの“Indépendence Cha Cha”のPVが収録されていて、
メイキング・ドキュメンタリーともにCD本編の価値を高めています。
そのヴィデオを観るたびにホレボレするのが、バロジのナイス・ガイぶり。
ベルギーでファッション・モデルやってるんじゃないかと思うほど、
立ち姿、歩き姿がキマってます。
ファッション誌に登場したら、日本の女子も注目必至だと思うんですけど、どーでしょう?

バロジの自作曲(共作含め)を中心としつつ、上記「独立チャチャ」のほか、
マヌ・ディバンゴやジョニー・ブリストルにマーヴィン・ゲイのカヴァーもあり、
マーヴィン・ゲイの“I'm Goin' Home”をカヴァーした“Nazongi Ndako (Part 1)”では、
アンプ・フィドラーにザイコ・ランガ=ランガのコーラス隊が参加しています。

ベルギーから連れて行ったミュージシャンと、
キンシャサ現地で起用したミュージシャンとのコラボもツボにはまりまくって、
ゲスト・ミュージシャンの起用も含め、プロジェクト・スタッフが良い仕事をしてます。
なんでもキンシャサのミュージシャンたちに、ロクなギャラを払わなかったとかで、
クラムド・ディスクのプロデューサー、ヴィンセント・ケニスさんが
ボロクソに言ってるとかの話ももれ伝わってきてますけど、
ともあれ今年度最高のアフリカン・ポップ・アルバム、まだの方は、ぜひ。

[CD+DVD] Baloji "KINSHASA SUCCURSALE" EMI 5099962993128 (2010)
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