SSブログ

二十歳の夏物語 ジョン・クレマー [北アメリカ]

John Klemmer.jpg

大学3年の夏休み、友だち4人で南の島へ遊びに行きました。
当時付き合っていた彼女と、ぼくの友だちとその彼女というカップル二組で行ったんですけど、
旅の途中、それぞれのカップルでいろいろなぎくしゃくなどもあったりして、
う~む、今思えば青春映画のようでしたね。
夏が過ぎ、季節がめぐる頃には、ぼくも友だちも互いに彼女と別れてしまったので、
まさしく、ひと夏の恋物語でありました。

そんな旅行中の記憶が染みついているのが、ブラジリアン・フュージョンの本作。
ジョン・クレマーのテナー・サックスが熱くブロウし、
ホルヘ・ダルトのエレピも負けじと激しく疾走する1曲目の9分を超す大曲“Brazilia”は、
レンタカーを借りてビーチへと向かうドライヴ中に聴いたナンバー。
海が待ちきれないワクワクとした気分を、いやおうなく盛り上げてくれたものです。

このアルバム、真夏の太陽の下が似合うアッパーなナンバーはこの1曲目だけで、
あとはミディアム・スローなメロウ・チューンばかり。
ジョン・クレマーの書くメロディーはセクシーで、時にエロティックです。
オスカル・カストロ・ネヴェスのアクースティック・ギターとヴィクター・フェルドマンのピアノが、
ムーディーなメロディーの輪郭を際立たせ、恋人たちの時間を演出します。

泳ぎ疲れ、けだるくなった身体にやさしく流れる“Bahia”、
うたたねする彼女の寝息とともに聴いた“Tropical Snowflakes”、
日焼けした背中に彼女が爪を立てた“Copacabana”、
ホテルへの帰り道、渋滞にひっかかった車の中で、日没前の強い西日を受けながら、
ぼんやりと聴いていた“My Love Has Butterfly Wings”。
そのひとつひとつが映画のワン・シーンのように、二十歳の夏の甘い記憶を蘇らせます。

John Klemmer "BRAZILIA" MCA MCAD5864 (1979)
コメント(2) 

コメント 2

ZawaJawa

Sexyな良い思い出ですね。サンオイル?の匂いがしてきますね。
もう一人の当事者?だった様に思う私ですが...
(笑い)
出来事、情景と音楽、どうもこの時は思い出と上手く結びついていません。 何故だ?
まあ何となく理由は解かっているのです。
JohnKlemmer、僕には今は無き代官山アパートと区民プール、外房守谷海岸の景色と結びついています。
遅い青春を楽しめるようになって来た、30歳頃の話です。

by ZawaJawa (2010-08-09 10:17) 

bunboni

当事者のみわかる実感のこもったコメント、ありがとうです。
あの時の沖縄・与論旅行の写真を、ウン十年ぶりに見返してびっくり。
当たり前の話だけど、君もぼくも、まー若いこと。
by bunboni (2010-08-09 20:33) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。