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未来世紀コロンビア システマ・ソラール [南アメリカ]

Systema Solar.JPG

おお、そうくるか~。
はっちゃけたサウンドに思わず相好を崩しながら、そのネタ使いの深さにウナらされました。

コロンビアから登場した新世代グループ、システマ・ソラールのデビュー作。
いやー、痛快ですねえ。
アフロ系コロンビアの伝統音楽を、ヒップ・ホップやダンスホールのマナーで
現代的にアップデイトしているわけなんですが、
これはなかなか「言うは易く行うは難し」の試み。
じっさい、これほど鮮やかにやってのけた例って、はじめて聴いた気がします。

ハウスやテクノで育った若者が生み出したデジタル・クンビアがいい例ですけど、
コロンビアの豊かな伝統音楽の魅力をさんざん知ったオヤジには、
正直新味に感じるところは少なくって、重低音の音響がウルサイだけ。
かといって、保守丸出しなクァンティックがいいかといえば、
あんなお手軽の演奏じゃ、こちとらの身体はぴくりとも動きません。
なんかもっと違う伝統の再構築の方法があるんじゃないかなあと思っていたので、
システマ・ソラールのアプローチは、まさしくツボでした。

もともとコロンビアには、雑食性の強いミクスチャー音楽を生み出してきた伝統があります。
クンビアにサルサやカリブ系のリズムをごった煮にして生まれたソン・カリベーニョや、
スークースを取り入れたチャンペータなどがそのいい例。
チャンペータなんかは、コロンビア版のサウンドシステムともいえるピコで発展したからこそ、
あのハチャメチャな雑食性を獲得したわけで、
やんちゃな若者がテクノ、ブレイクビーツでアプローチしたのは、
至極真っ当というか、大正解なわけですね。

若さほとばしる直感で、伝統音楽をサンプリングしたチョイスも確かなら、
未来世紀コロンビアを予言するかのような突き抜け具合は、
バングラ・ビートのパンジャビMCのデビュー時を思い起こさせます。

Systema Solar "SYSTEMA SOLAR" Chusma CR002 (2010)
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