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温故知新 オキシデンタル・ブラザーズ・ダンス・バンド・インターナショナル [北アメリカ]

Occidental Brothers Dance Band Intl.jpg   Occidental Brothers Dance Band Intl_back.JPG

いかにもハイライフらしいバンド名に、ジャケットだと思いませんか。
バックインレイ(写真右)なんて、いかにもアフリカ気分満点のビジュアルで、
二十年前ガーナにひと月滞在した時、アクラの野外ディスコで踊った
アフリカン・ブラザーズ・バンド・インターナショナルを思い出しました。

でも、バンド名を良く読むと、「オキシデンタル」とあるとおり、
ガーナのバンドではなく、アメリカのシカゴで活動する白黒混成バンドなんですね。
ギタリストのバンド・リーダーとシンガーがガーナ人で、ほかはアメリカ人。
だからなのか、ガーナのハイライフのリズム・セクションがぐだぐだになりがちなのに、
タイトに引き締まっていて、本場ものを凌ぐ演奏を聞かせてくれます。

ハイライフをベースに、スークースを取り入れたアフリカン・ポップを聞かせるんですが、
このテのマルチ・カルチュラルなバンドにありがちな、
本場ものを水で薄めたような味気なさとは無縁。
重量感のあるリズム・セクションなど、
ガーナのハイライフの弱点を補って余りあるところを聞かせます。

また感心したのがレパートリーで、
なんとジャン・ボスコ・ムウェンダの「マサンガ」とハイライフの古典「ヤー・アンポンサー」という、
アフリカン・ポップス史に残るシブい曲を取り上げています。
「マサンガ」ではジャン・ボスコ・ムウェンダのギター奏法を消化したうえで、
ゲストのヴァイオリンとともに、ユニークな弦楽アンサンブルを聞かせ、
ハイライフの古典「ヤー・アンポンサー」では、
クワメ・アサレの28年録音を忠実にコピーするという研究熱心ぶり。
いまやスタンダードとなっている「ヤー・アンポンサー」とはいえ、
アクースティック・ギター、ベース、拍子木の編成で、
オリジナル録音に迫るカヴァーをしたなんて例は、初めて聴きました。

バンド・リーダーのギタリスト、ノサンニェル・ブラドックは、ジャン・ボスコ・ムウェンダ、フランコ、
ドクチュール・ニコから影響を受けたと言っているくらいなので、
相当なアフリカ音楽研究家のようです。
現在バンドは、サンバ・マパンガラともコラボをしていて、レコーディング中とのこと。
今後も注目したいバンドです。

Occidental Brothers Dance Band International "ODO SANBRA" Occidental Brothers no number (2009)
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