まろやかなスウィート・ソウル ジョン・スタッダート [北アメリカ]
この冬、冷えた身体をあっためてくれるR&B/ソウルの1枚に出会えました。
フィラデルフィア出身のシンガー・ソングライター、ジョン・スタッダートの新作です。
アクースティック・ギター、ピアノ、ドラムスすべて生音の、
プログラミング控え目でオーガニックなサウンド・プロダクションが、耳に優しく響きます。
ガチャガチャうるさいR&Bはウンザリという向きには、ぴったりのアルバムでしょう。
ロマンティックなソウル・チューンを書く人で、
スムースに流れつつもフックの効いたメロディーに、ソングライティングの巧さを感じさせます。
セリーヌ・ディオン、アル・ジャロウ、ウィル・ダウニング、テイク・6、パティ・オースティン、
ボブ・ジェイムズなど数多くのアーティストに曲を提供、アレンジ、プロデュース、バック・コーラスに
名を連ねてきたという経歴も、なるほどとうなずける人ですね。
ジェイムズ・イングラムやビル・ウィザーズと似たタイプの、コンテンポラリー色の強いソウルなため、
中庸と後ろ指を指す人もいそうですけど、よっぽどのひねくれ者でもない限り、
まろやかなサウンドにのるジェントルなヴォーカルを嫌う人はいないでしょう。
温かな声質とおだやかな歌いぶりに派手さはないものの、素直に耳に馴染み、
聴き進むほどに甘酸っぱい気持ちが胸を満たしていくようです。
柔らかいコーラスや流麗なストリングスといったオーセンティックなプロダクションも、
楽曲の良さとじっくり向き合うのにぴったりの演出となっていて、
落ち着いて聴ける、大人向けのアルバムに仕上がりました。
John Stoddart "FAITH HOPE LOVE" Urban Junction East 101123 (2010)
2011-01-27 06:37
コメント(4)
Norman Brown が、Michael McDonald をフィーチャーした" I Still Believe” もこの人の曲ですよね。
“More Than You and Me”なんか聴くと、ホント、この寒い季節には心から温まります。
by ペイ爺 (2011-01-27 11:00)
“I Still Believe”、マイケル・マクドナルドが歌ったのより、本人のセルフ・カヴァーの勝ち!と思ってるんですけど、どうでしょう?
ジョンは2007年11月、スムーズ・ジャズ系のサックス奏者カーク・ウェイラムと
仙川のキック・バック・カフェでライヴをやったそうです。
仙川なら家からすぐだし、ちょうど結婚記念日だったので、奥さん誘って観に行けばよかったな。
by bunboni (2011-01-27 21:04)
おとといの火曜日(3月1日)、コットンクラブにカーク・ウェイラムを観に行った娘からの報告。
「あ、そーいえばさー。パパが好きなジョン・スタッダートがキーボードだったよー。んで、1曲歌ったんだけど、うまかったよー」
ジョン・スタッダートのソロ・アクトは実現できないんでしょうか(泣)。
by bunboni (2011-03-03 21:10)
Kirk Whalum のアルバム“Roundtrip”を入手、結構、ヘビロテです。表題曲“Roundtrip”ではWhalum一族総出でゾクゾクさせる鳥肌モンの演奏をする中、Johnがクールな燻し銀の様なキーボード・プレイ!
by ペイ爺 (2016-09-10 23:14)