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新作CDとデビュー盤 フェイルーズ [中東・マグレブ]

Fayrouz.JPG

フェイルーズの新作“EH FI AMAL”(『望み』)は、
大勢の人が2010年のベスト・アルバムに選んだ一大傑作でした。
ただひとつ残念だったのは、ジャケットが紙パック・ケースという簡素なものだったこと。
アラブ世界最高の歌姫の傑作に、
このパッケージはないだろうと、ブーたれたくなる装丁でしたが、
新たに布張り装丁のCDブックがお目見えしました。

最初に日本に入ってきた紙パック式のCDジャケットは、
ディストリビューターのミュージック・ボックス・インターナショナルのマーク
<MBI>が左隅に置かれ、筆書きのフェイルーズの絵が
右寄りに追いやられた妙なデザインとなっていましたけど、
この布張りCDブックの方は、どかんと中央にフェイルーズの絵が配置されています。
デザイン的にもこの方が、納まりいいですよねえ。

このCDブックはアート・ライン・ミュージックがディストリビューターと記されており、
どちらもフェイルーズ・プロダクション盤であることに変わりありませんが、
表紙を開くと、まばゆい金色のライナーが現れ、
以前はなかった全曲の歌詞が掲載されています。
レーベルもゴールドで、ぐっと格調高く仕上がっていますよ。

ところで、この最新作に次いで、フェイルーズの50年代の初期録音を編集した
『アーリー・ピリオド・オヴ・フェイルーズ』がリリースされ話題を集めましたが、
もうみなさんはお聴きになりましたか。
ファンの間では、エル・スール・レコードとオフィス・サンビーニャの特典CD-R
『初期フェイルーズ・エキゾティック歌集』が本編よりいいと大評判で、
あらためてデビュー当初のフェイルーズの良さに、多くの人が感激したようです。

Fairuz Sings.JPG   Fairuz LPVD4.jpg   

去年のエントリでは、フェイルーズの顔が小さくしか映っていないので、
デビュー・アルバムとセカンド・アルバムの10インチ盤をご披露しませんでしたが、
実はこのデビュー盤が、B面最後の1曲を除いてすべてCD化されたんですね。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2010-12-18

『アーリー・ピリオド・オヴ・フェイルーズ』には、
「ホナイナよ」「羊飼いの少女へ」の2曲しか収録されませんでしたが、
『初期フェイルーズ・エキゾティック歌集』には4曲が収録。
これであの特典CD-Rがいかにお宝かってこと、もうお分かりですよね。
もしまだこれからの方は、特典CD-Rをもらい損ねないよう、お買い求めください。

Fayrouz "EH FI AMAL" Fayrouz Productions no number (2010)
[10インチ] Fairuz "FAIRUZ SINGS" Parlophone LPVD1 (1957)
[10インチ] Fairuz "FAIRUZ SINGS AGAIN" Parlophone LPVD4 (1957)
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Pripri改めNiam-Niam

お薦めいただいCDをようやく入手して、さっそく聴いてみました。ものの見事にフェイルーズの世界に引き込まれてしまいました。特に新作は、御歳75にしてこの艶と気品。圧倒されました。実は声に聞き憶えがあってもしかしてと思って、レコード棚を調べてみたら、72年にリリースされた一枚がひっそり眠っていました。どこでどんな経緯で買ったのか全く記憶にないのですが、こちらもこれからじっくり聞き直してみようかと思います。
by Pripri改めNiam-Niam (2011-05-01 17:45) 

bunboni

まさしくフェイルーズは、アラブ世界の女王様ですよね。
ぼくがフェイルーズを知った30年前、荘厳なオペレッタ・サウンドにたじたじとなったものですけど、シャンソンやジャズなどの影響をみせるサウンドになってからは、ぐんと親しみが増しました。
息子のジアード・ハラバーニーがアレンジした新作は、ここ四半世紀の作品でもっとも完成度の高い作品に仕上がった傑作ですね。
by bunboni (2011-05-01 19:19) 

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