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ビッグ・バリトン・ママ 浦朋恵 [日本]

浦朋恵 WALKIN’ WITH MR. BIMBO.JPG

女のバリトン・サックス吹きというだけでも、相当に興味をひかれますけど、
デビュー作『ROCKIN' AT THE 1,000,000 RESTAURANTS』の秀逸なジャケットには降参。
一度聴いてみたいなと思いつつぐずぐずしてたら、セカンド・アルバムが届いちゃいました。

新作はなんとも生活感あふれるフォーキーなジャケで、
ウラには女性版ビッグ・ジェイ・マクニーリーを思わせる、ライヴでの彼女の勇姿が写っています。
タイトルがまたふるっていて、リー・アレンの“WALKIN' WITH MR. LEE” をもじっているのは明らか。

「アンタ、また素通りするつもりかい?」とCDに言われているような気がして、
今度は素直に買ってみたところ、想像以上のすばらしい演奏にすっかりまいってしまいました。
ビッグ・ジェイ・マクニーリー、ジョー・ヒューストン、リン・ホープといった名ホンカーたちに触発された
ジャンプ・ブルースから、ブーガルー、スカ、レゲエまで呑み込んだインスト演奏がずらり。

いや、この人逸材ですね。女性でバリトンをばりぶりいわせる力量も相当なものですけど、
生み出している音楽が実におおらか。これだけ趣味性の強い音楽を器用にこなしながら、
せせこましさが微塵も無く、のびのびと演奏しているところがいいじゃないですか。
ユーモアたっぷり、エキゾなスパイスを利かせた曲作りも巧みで、降参です。

エゴ・ラッピンのサポート・メンバーとして活躍している人だというので、
ロック・フィールドから出てきた人なのかなと思いきや、
バリトン・サックスを吹く前はクラリネットでクレズマーを演奏し、
ニュー・ヨークでクレズマー修行もしたとのこと。
原田依幸のオーケストラ、大怪物団にバリトン・サックスで参加し、
08年の韓国公演では大韓ジャズメンとも共演したそうです。
彼女の豊かな音楽性は、さまざまなフィールドの音楽を消化してきた経歴に裏打ちされていて、
その自在なプレイに滲み出ている実力がホンモノであることがわかります。

そんな彼女をサポートするロッキン・バリトーンズのメンバーやゲスト・ミュージシャンたちも、
音楽をやるのが楽しくってしょうがないといった喜びに満ち溢れていて、
スタジオが笑顔でいっぱいのレコーディングだったんじゃないかなあ。
楽しもうぜっ!という雰囲気が全面に出たゴキゲンなアルバムです。

ぜひライヴも体験してみたい、ビッグ・バリトン・ママであります。

浦朋恵 「WALKIN’ WITH MR. BIMBO」 マイベスト! MYRD33  (2012)
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