春に舞うショーロ トリオ・キ・ショーラ [ブラジル]
春がやってくると、軽やかなショーロが聴きたくなります。
何か新作はないかなとショーロのコーナーを見ていたら、
鮮やかな筆致のグラフィックに目が止まりました。あぁ、いい絵ですねえ。
トリオ・キ・ショーラ。サンパウロで活動している女性トリオのようです。
フルート、7弦ギター、パンデイロの3人で、これがデビュー作とのこと。
そういえば、去年秋に聴いたコンジュント・スビンド・ア・ラデイラも
サンパウロのショーロ・トリオでしたっけ。
たった3人でショーロを演奏すると、サウンドの厚みに物足りなさが拭えず、
コンジュント・スビンド・ア・ラデイラはゲストを迎えて補っていましたが、
トリオ・キ・ショーラはあくまでも3人だけの演奏で通しているんですね。
そのかわり、パーカッションを多重録音してサウンドを厚くしています。
ジャコー・ド・バンドリン、ヴァルジール・アゼヴェード、パウリーニョ・ダ・ヴィラなどの名曲のほか、
サンパウロの7弦ギタリスト、ゼー・バルベイロの曲を取り上げているのは、同郷のよしみというか、
ひょっとすると一緒に演奏しているショーロ仲間なのかも知れませんね、
オープニングとラストに配した7弦ギター奏者ロザーナ・ベルガマスコの自作も花丸です。
サンバあり、ヴァルサあり、バイオーンあり、フォローあり、
シランダまでやるなど、レパートリーは多彩。
バイオーンではザブンバ、パンデイロ、トリアングロ、ビリンバウ、カシーシを多重録音し、
さらにメンバー3人の手拍子も交えて、ノリのいいダンス・ナンバーに仕上げています。
ほかにも、フルートが汽笛の音を模して、パーカッションが汽車の走るリズムを真似て叩くなど、
ユーモラスな遊びゴコロがショーロらしい楽しさを伝えてくれるステキなアルバムです。
Trio Que Chora "SETEMBRO" no label TQC0012012 (2012)
2013-04-04 00:00
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