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12年ぶりの新作 クラン [ブリテン諸島]

Cran  DALLY AND STRAY.jpg

すごいひさしぶりですねえ、アイルランドのクランの新作。
それもそのはず、12年ぶりのアルバムだというのだから、ちょっと驚きです。
前作“MUSIC FROM THE EDGE OF THE WORLD” から、もうそんなになるんだっけ。

ブズーキのショーン・コーコラン、フルートのデジ・ウィルキンスン、
イーリアン・パイプスのローナン・ブラウンの3人が、
相変わらず生粋のアイリッシュ魂を聞かせてくれて、嬉しくなります。
新作でも無骨さを失わない、伝統一筋の歌心が満ちあふれていて、
アイルランドのパワー・トリオぶりは不変ですね。

今作では、100年から200年前に収集された伝統歌やダンス・チューンを取り上げて、
奥行きの深いシンギングを聞かせるとともに、
古風な気品を感じさせるダンス・チューンや哀愁のあるエアーで迫ります。
玄妙なアンサンブルと深淵な歌唱から立ち上る、濃厚なアイリッシュの香りがたまりません。
ごりごりの伝統派のくせに、アンサンブルのハーモニー・センスは現代性たっぷりで、
伝統と現代をこれほど鮮やかにマッチさせる音楽性を持つグループは希有といえます。

Cran  THE CROOKED STAIR.jpg   Cran  BLACK BLACK BLACK.jpg
Cran  LOVER'S GHOST.jpg   Cran  MUSIC FROM THE EDGE OF THE WORLD.jpg

本作が5作目というので、昔のCDを棚から引っ張り出してみたら、
全作手元にあって、われながらあんぐり。
出来がイマイチと思えば、すぐ手放してしまう性分なので、
全作持っているグループなんて、ぼくの場合、めったにないはずなんだけど。
あらためて、このグループに駄作のないことがわかります。

デビュー作では、イーリアン・パイプスがニール・マーティンだったんですね。
2作目“BLACK BLACK BLACK” からローナン・ブラウンに変わり、
以降メンバーは不動となったのでした。
その“BLACK BLACK BLACK” が出たあとだったか、一度来日したんですよねえ。
あの時は、仕事の都合で行けなかったんだよなあ、ぐやじい。
ぜひもう一度、日本に来てください。

Cran "DALLY AND STRAY" Black Rose BRRCD005 (2014)
Cran "THE CROOKED STAIR" Cross Border Media CBMCD002 (1993)
Cran "BLACK BLACK BLACK" Claddagh CC63CD (1998)
Cran "LOVER'S GHOST" Black Rose BRRCD003 (2000)
Cran "MUSIC FROM THE EDGE OF THE WORLD" Black Rose BRRCD004 (2002)
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