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蘇るブルース・シャウター シャーウッド・フレミング [北アメリカ]

Sherwood Fleming Dynaflow.jpg

すげええええっ!
齢79のブルース・シャウターの雄叫び。

どれだけその身体に、ブルースを鬱積させていたんでしょうか。
積年の思いの丈を吐き出すかのような、黒々としたシャウト。
ここ十年来、これほどエモーショナルなブルースは、聴いたことがありません。
度胆抜かれること必至の、ブルース本来のナマナマしさを蘇らせた超傑作です!

主役のシャーウッド・フレミングは、36年ミシシッピ生まれ。
60~70年代に3枚のシングルを残したのみで、
行方知れずになっていたという不遇のブルース・シンガー。
その彼を「再発見」したのが、
日暮泰文さん、高地明さんのご両名というのだからオソレいります。
21世紀になった今も、「再発見の伝説」が有効であることにも驚かされますが、
Pヴァインをやめられたお二人が、
かくも深くブルースの現場に関われていることに驚嘆します。
昨年冬のジュウェル・ブラウン復活に続く、まさしく快挙ですね。

ダイアルトーンのエディ・スタウトが、
新たに興したダイナフロウ・レコードからのリリースで、
オースティンのミュージシャンを集めたフル・バンドは、
ホーンズに女性コーラスも従えた重厚な布陣となっています。
シャーウッドの歌とバンドがガチンコでせめぎ合う濃密なサウンドが、もーたまりません。

70年代ブルースをホウフツとさせるそのサウンドで、
アイク&ティナ・ターナーの名曲を替え歌にした
“Bold Soul Brother” のファンカーぶりなんて、
もう降参するしかありません。
ラップに非ずなトーキン・ブルースの“History”、
ラストのマヘリア・ジャクスンが歌ったゴスペルまで、
まさしくタイトルが示すがごとく、ブルース三昧。

日本盤の洗練されたジャケット・デザインは、ちょっとカッコよすぎて、違和感があります。
ぱっと見、ダサいアメリカ盤ジャケットですけれど、
タイトル文字のタイポグラフィなんて、60年代ブルースの雰囲気が横溢。
シャーウッド・フレミングのリアル・ブルースには、こっちの方がお似合いです。

Sherwood Fleming "BLUES BLUES BLUES" Dynaflow DF0002 (2015)
コメント(2) 

コメント 2

Astral

ひぇーー。今頃新譜でこんなリアル・ブルースに出くわすとは!たまげました。早速オーダーしましたよ。
by Astral (2015-05-28 21:28) 

bunboni

こんなん聴いたら、今のバデイ・ガイなんて、バカらしくって、聴いてらんないっす!
by bunboni (2015-05-28 22:01) 

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