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<歌もの>ライの復権 マジッド・ハッジ・ブラヒム [中東・マグレブ]

Madjid Hadj Brahim  LYAME TBAYANE.jpg

くあ~、たまんねー。
80年代にさんざ聴いた、ポップ・ライの典型的なサウンド。
プロデューサーのラシード・ババ=アハメドが創り出した、あのサウンドですよ。
なつかしいっすねぇ。

このグルーヴがねぇ、もう、辛抱たまらんわけですよ。
オランの連中にかかると、なんで打ち込みのビートが、
こうもグルーヴィになるんでしょうかねぇ。

そして、この声!
実年齢以上の親父臭さと無頼を気取る歌いっぷりが、男を泣かせますよ。
ハレドそっくりのいい声だなあと感心していたら、
なんとこのマジッド・ハッジ・ブラヒムくん、ハレドの甥っ子なんですって!
うわぁ、そりゃ似てるわけだ。

今やハレドは、ライの枠を超えたスーパー・スター。
昔のようなオラン流ポップ・ライを歌うこともなくなってしまったので、
この甥っ子くんには期待をかけたくなりますね。
キャッチーなコーラスの1曲目なんて、“Didi” をホーフツとさせるじゃないですか。

打ち込みとシンセを多用するポップ・ライといっても、
アコーディオンやバンジョー、ベンディールなどを効果的に使い
ベルムー・メサウド流のホーン・セクションも、シンセ代用でしっかり鳴らしてくれます。

思えばライが失速し始めたのって、ライ’N’Bだの、レッガーダだのと、
<歌もの>のライが、<ダンス>仕様に変質したところにあったんじゃないですかね。
その意味でこのアルバムは、<歌もの>ライ復権の作のように、ぼくには思えます。

アルバム・タイトルは、『いつかわかってくれる日まで』(訳:ウアムリア奈津江さん。以下同じ)。
曲のタイトルも、「君を思う瞬間(とき)」「彼女を噂する人」「まだ君を愛している」
「哀れな僕のハート」「人生はからっぽ(君がいないから)」などなど、
ホセー・アントニオ・メンデスばりの、女々しさいっぱいな男ゴコロ溢れる恋歌ばかり。
これこそ<障害ある恋愛>をテーマとするライの本質そのもので、
やるせないマジッドの歌いぶりは、まさにライの王道をいっているわけであります。

Madjid Hadj Brahim "LYAME TBAYANE" AVM Edition CD980 (2013)
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