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センバ若手期待の星 エディ・トゥッサ [南部アフリカ]

Eddy Tussa  KASSEMBELE.jpg

センバ若手期待の星、エディ・トゥッサの3作目を数える新作が届きました。
センバ新世代の大傑作といえる前作“GRANDES MUNDOS” から3年ぶりのアルバムです。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2015-11-12

前々作のデビュー作、前作ともに、
伝説のセンバ・シンガー、ダヴィッド・ゼーの曲を取り上げていて、
「若いのに見上げたもんだ」などと思っていたんですが、
今回の新作では、50年代から活動するセンバの古参シンガー・ソングライター、
エリアス・ジア・キムエゾの“Muimbu Uami” や、
70年代を代表するセンバ・シンガーのひとりである
マムクエノの“Pequenina” を取り上げていて、
アンゴラ音楽の黄金時代だった70年代センバへの敬愛ぶりは、ホンモノです。

今作も人力のリズム・セクションならではといえる、まろやかなグルーヴがいいですねえ。
シンセや女性コーラスが華やかなムードをどんなにまき散らしても、
ディカンザをシャカシャカとこする響きや、
トコトコトコトコと詰まったようなリズムで叩かれるコンガの音色が、
昔ながらの土臭いセンバの味を伝えていて、嬉しくなります。

ズークやルンバなどの汎アフリカン・ポップス・サウンドをまといつつ、
軸足をしっかりとセンバに置いたプロダクションは、今回も手堅いですよ。
前作のようなソン、サルサ、コンパまで取り入れた多彩さはみられないものの、
トロンバンガのようなホーンや、レキント・ギターのトレモロなど、
そこかしこに施されたセンスのよいアレンジに、おおっと耳を奪われる場面多数。

ラスト・トラックは、アンゴラの伝統音楽グループ、キトゥシの曲です。
前作でも、アンゴラの伝統的なメロディを生かしたボンガ作の“Muadiakime” を歌っていましたが、
こういうアフロ色の強い曲を取り上げるところが、エディの個性となっていますね。

キトゥシは、先に挙げたエリアス・ジア・キムエゾと、
アンゴラ初のポピュラー音楽グループ、ンゴラ・リトモスで看板女性歌手だった
ルルデス・ヴァン=ドゥネンによって編成された5人組のパーカッション・グループです。
そういえば、キトゥシ、エリアス・ジア・キムエゾ、ルルデス・ヴァン=ドゥネンは、
パウロ・フローレス、バンダ・マラヴィーリャなどとともに、
05年に愛知で開かれた「愛・地球博」に来日したんですよねえ。
アンゴラのオール・スターがずらりとやってきたのに、観れなかったのは、今も悔やまれます。

Eddy Tussa "KASSEMBELE" Xikote Produções ETCD03 (2015)
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