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レディ・ソウルの帰還 リーラ・ジェイムズ [北アメリカ]

Leela James  SEE ME.jpg

う~ん、この塩っぱい声といったら!
歌い出しの第一声で、
聴き手の胸をキュッとつかまえてしまう訴求力は、ほんとにスゴイ。
リーラ・ジェイムズ、4年ぶりの新作だそうですが、
ぼくが聴くのは05年のデビュー作以来。ずっとフォローを怠ってたなあ。

ひさびさとなった再会なんですが、
歌ぢから満載のソウル・ミュージックに、すっかり降参です。
ローファイな音質を演出した打ち込みのドラミングに始まる1曲目から、
そのクールなグルーヴにのせて歌うエモーショナルなリーラの歌いっぷりに、
胸が焼き付くような思いがしました。

70年代ソウルを現代に更新したこのサウンドを、
「レトロ」というタームで括っちゃあいけません。
リーラが70年代ソウルの遺産のうえに立ったシンガーであることは疑いなくても、
けっして彼女は懐古しているわけじゃあ、ありませんからね。
過去のソウルが持っていたぬくもりと、現代のR&Bのクールな質感をミックスさせて、
70年代ソウルがたどり着いていなかった地平へと、ローラは現代のR&Bを導いています。

こういう手ごたえは、とりわけブルージーな楽曲で、
振り絞るようなリーラの歌声に発揮されています。
タイトル曲の‘See Me’ では、COVID-19禍で社会の片隅に置き去りにされた人々に向けて、
想いを寄せているのが伝わってきます。
その力強い歌声は、まるで肩を貸して抱き上げてくれるような逞しさがあり、
思わずもらい泣きしそうになりますよね。

困難な世の中を渡っていくパワーを与えてくれるのは、
やはりこういうナマナマしい歌声の力強さと、温かさですよ。
ラストの‘Rise N Shine’ では、ディスコへと誘うブギーなナンバーに、
こちらの心も軽くしてくれて、う~ん、ほんとに聴き手のツボを押しまくってくれるよなあ。
ニクイばかりのレディ・ソウルの1枚です。

Leela James "SEE ME" BMG 538688652 (2021)
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