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フューチャー・ソウル+アフリカン・ヒップ・ホップ サンパ・ザ・グレイト [太平洋・オセアニア]

Sampa The Great  AS ABOVE SO BELOW.jpg

ザンビア生まれ、ボツワナ育ち、現在はメルボルンを拠点に活動する
ラッパー/シンガー、サンパ・ザ・グレイトの新作。
最近ではエズラ・コレクティヴの新作にもフィーチャーされていましたね。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2022-11-19

ヒップ・ホップ、ネオ・ソウル、ジャズを横断したプロダクションは、
US産ともUK産とも異なり、ハイエイタス・カイヨーテに代表される
フューチャー・ソウルのフィールに富んだもの。
サン・フランシスコのアカデミー・オヴ・アート大学に学び、
シドニーへ移住したというキャリアがよく反映されています。

パンデミックでザンビアに一時帰国していたサンパは、
故国から受けた影響を反映させた作品を作ろうとしたとのこと。
ザンビアのソングライター/プロデューサーのティオ・ネイソン、
ラッパーのシェフ187、そしてサンパの妹ムワンジェをフィーチャーした
‘Never Forget’ では、ザンビアのヒップ・ホップ・プロデューサー、
マグ44が808で作ったドラム・マシーンのサウンドをベースに、
ザンビアのユース・カルチュラル・パフォーマンス・グループ、
ノマカンジャニのンゴマ(太鼓)奏者2名によるンゴマの生音を絡ませています。

驚いたのは ‘Can I Live?’。
なんとザンビアのサイケ・ロック・バンド、ウィッチとの共演ですよ。
ウィッチが今でも存在していたとはビックリですが、40年ぶりに復活したんだそう。
ウィッチは、70年代にザンビアで流行したザンロックのバンド。
ドラッギーでサイケなサウンドが、2010年代にアメリカのガレージ/サイケ・ロック
周辺で再評価されるようになったんでしたね。

『ポップ・アフリカ800』では、ンゴジ・ファミリーとリッキ・イリロンガの2作に
ザンロックを代表してもらいましたが、ロック・ファンにはウィッチの人気が絶大でしたね。
ちなみに、日本語版ウィキペディアをはじめ、
「ザムロック」とカナ表記しているのは、理解に苦しみます。
「ザンビア」を「ザムビア」とは書かないだろうに。

こうしたザンビアのアーティストたちとのコラボによって制作された新作ですけれど、
そのサウンドは贅沢なもの。オーストラリア産らしいフューチャー・ソウル色濃い、
アフリカン・ヒップ・ホップです。

Sampa The Great "AS ABOVE SO BELOW" Loma Vista LVR02896 (2022)

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