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モーリシャスのセガをポップ化したチ・フレール [インド洋]

P'tit Frere_8305.JPG    Ti Frere.jpg

レユニオンでは古くからセガに西洋音楽が取り入れられ、
ダンスホールで演奏されていましたが、
モーリシャスのセガはフォークロアな姿のまま、
パーカッションを伴奏に歌とコーラスがコール・アンド・レスポンスを繰り返す、
8分の6拍子のディープなアフロ系ダンス音楽として長くその姿を保っていました。
インド系住民が多勢を占めるモーリシャスでは、アフロ系文化は隅に追いやられ、
セガが大衆文化として花開かせるための場がなかったんでしょうね。

モーリシャスで伝統セガに西洋音楽を取り入れ始めたのは、
チ・フレール(プチ・フレール)こと
ジャン・アルフォンス・ラヴァトンだったといわれます。
マダガスカル人でセガの音楽家だったチ・フレールの父親は、
アコーディオンやバンジョーを加えたセガをすでに演奏しており、
チ・フレールは父親からセガを学んだそうです。

チ・フレールは50年代にアコーディオンとトライアングルの伴奏で歌った
“Anita” “Angeline” “Charlie Oh” などの曲を録音したSPを残しますが、
モーリシャスの社会で評価を得ることもなく、引退状態にあった64年に
セガのコンテストで「セガのキング」の称号を得て、ようやく脚光を浴びます。

写真のSP原盤をもとにしたインド・プレスのシングル盤は、
その当時に出たものと思われます。
このシングルにも収録された上記3曲はオコラ盤CDにも収録され、
モーリシャスのルイ・アームストロングとも例えられた
チ・フレールのひびわれた歌声を聴くことができます。

ポップ化されたといってもずいぶんと素朴なもので、
本格的なクレオール・ポップとしてダンス・ミュージック化したセガに変貌するには、
チ・フレールのもう一つあとの世代にあたる
セルジュ・ルブラッセの登場まで待たなければなりませんでした。

[7インチ] P’tit Frère et Ses Segatiers "Anita / Ma Bohema / Angeline /Charlie Oh" レーベル名なし 8305
[CD] Ti Frere "ILE MAURICE : HOMMAGE A TI FRERE" Ocora C560019 (1991)
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