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サン・ラ+サンテリーア+ハウス フランシスコ・モラ・カトレット [北アメリカ]

Francisco Mora Catlett.jpg

ポープやウルマーをひさびさに聞き直していたのが呼び水になったのか、
その方面(どの方面?)の超ド級新作にブチ当たりましたよ。

元サン・ラ・アーケストラのドラマーとしても活躍していた、フランシスコ・モラの07年作。
3年前のアルバムですが、最近になって入ってきたみたいです。
サン・ラ亡き後のアーケストラを引き継いだマーシャル・アレンのほか、
カール・クレイグなんて人も参加していて、???と思ったら、
モラはカール・クレイグのインナー・ゾーン・オーケストラのメンバーとのこと。
ジャズ・ファンより、クラブ・ミュージック・ファンが注目するアルバムなのかもしれません。

それにしても、マーシャル・アレンのエネルギッシュなプレイには舌を巻きます。
80歳を越す年齢で、このアヴァンギャルドぶり。さすがはサン・ラの一番弟子だった人。
ほかにも、ドゥワイト・アダムス、クレイグ・テイボーンなど、
ニュー・ヨーク・ダウンタウン派の精鋭が集結しています。

録音は01年から06年にかけて行われていて、
かなり時間をかけ、じっくりと制作に取り組んだことがわかります。
冒頭、スペイシーなシンセ音とサックスのフリーキーなソロの短いトラックに続き、
ルイ・アームストロング、バディ・ボールデン、ベイビー・ドッズ、シドニー・ベシェ、
キング・オリヴァーに捧げた、コンゴ広場への回帰を題した曲へとなだれ込みます。
この曲では、パーカッション・アンサンブルの演奏にのって
アブストラクトな「聖者が町にやってくる」をプレイしていて、唸らされました。
このほかババトゥンデ・オラトゥンジやモンゴ・サンタマリアに捧げた曲などで、
サンテリーアのパーカッション・アンサンブルが重要な役割を果たしていて、耳を奪われます。

中盤に耳なじみやすい反復メロディーのハウス・トラックを並べ、
要所要所に短いインタールードを挟み込んで、フリー/アヴァン一辺倒になっていないところが、
クラブ・ミュージック・ファンにもアピールしやすいところでしょう。
ハードエッジなラテン・ジャズが楽しめるところも、嬉しいですね。

サンテリーアではなく、ヴードゥーの儀式の衣装にみえる男性を配したジャケットも印象的。
LPサイズで飾っておきたくなる、いいジャケットです。
サン・ラとサンテリーアとハウスを絶妙なバランスで繋いだこのアルバム、
なかなかの傑作ですよ。

Francisco Mora Catlett "OUTER ZONE" Premier Cru no number (2007)
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