スティールパン÷ダブ=涼 ミーモ [日本]
スティールパンをフィーチャーしたダブ・バンドというと、リトル・テンポ以来でしょうか。
ミーモという愛らしいバンド名に惹かれ、試聴してみたら、
涼しげなスティールパンの響きにダビーなベースを加えた1曲目の“Party Dub” から、
すっかりとりこになってしまいました。
青く澄んだ夏の空にぽっかりと浮かぶ白い雲を見るような、すがすがしいサウンドです。
エレクトロニカな音響を兼ね備えながら、歌ものを印象づけるメロディー・センスが、
彼らが叙情派ダブと呼ばれるゆえんでしょうか。
ミントの香り漂う心地よいサウンドと、蜃気楼のようなあわーいメロディーが合わさって、
ヒーリング効果をもたらしてくれます。
ゲストで加わったピアニカの音色も相性ぴったり。
アグレッシヴなビートを伴うトラックでも、チル・アウトな涼感は変わりません。
今月、毎朝の通勤ウォーキングの定番となり、
ムヤヨ・リフでたっぷり汗を流したあとの、クール・ダウン用として活躍してくれました。
2010年の酷暑を乗り切った一枚として、今後記憶に残りそうです。
そのミーモのミニ・ライヴが26日、新宿のタワレコであったので、仕事帰りに観てきました。
お客さんがぜんぜん集まらなくって、ちょっと気の毒でしたけど、
フックの効いたしなやかなドラムス、手堅いベース、カラフルな音作りをするスティールパンと、
たった3人とは思えぬ厚みのあるサウンドを生み出していました。
3人とも涼しい顔で淡々と演奏を進めるその様子から、
メンバーそれぞれが相応のキャリアの持ち主とわかります。
全体にはエレクトロニカの印象が強く、ダブへのこだわりはあまり感じられません。
ドラムスがコンテンポラリーでもフリーでもいけそうなスゴ腕とにらんだんだけど、どうだろう。
発展しだいでは、今後もっと面白くなりそうなミーモ、注目していこうと思います。
ミーモ 『ミーモ 3』 amorfon miimo3-2010 (2010)
2010-08-28 00:15
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