バルスは死んだとか言われてるけど ロス・アビレス [南アメリカ]
クリオージョ音楽の新着CDで、サヤリー二番煎じ作より気に入ったのがこちら。
クリオージョ音楽の名ギタリスト、オスカル・アビレスの息子
オスカル・アビレス・ジュニオルを中心としたグループ、ロス・アビレスのアルバムです。
「バルスは死んだとか言われてるけど」と挑発的に歌うタイトル曲の1曲目から、
「馬鹿言っちゃあ、いけねえよ」といわんばかりの力強い歌声を聞かせてくれます。
豊かな肺活量で胸の奥底によく響く堂々たる声の持ち主と、
ノドを絞ったしょっぱい声を聞かせるシブい声の二人の歌手が代わる代わる歌う、
対照的な声の交叉が妙味となっていて、
やっぱりヴァルスは、こういう芳醇なヴォーカルがあってこその音楽だと思わされますね。
歌のパートが終わるや否や、歯切れのいい高音を響かせるギターが切り込んでくるところは、
さすがオスカル・アビレスの血筋を引いた、オスカル・アビレス・ジュニオルならでは。
ギター2台、ベース、カホンという基本編成に、チャランゴ、フルート、エレキ・ベースなど、
曲ごとに手を変え品を変えた彩りを添え、聴き手を飽きさせません。
まるでリード・ギターのようなラインを弾くエレキ・ベースをフィーチャーしたアイディアなど、
なかなか斬新なアレンジとなっているほか、アコーディオンの音色を模したシンセや、
フルートの涼しげな響きもいいアクセントになっています。
神々しくも威厳のある歌と、伝統を保ちながら現代的なセンスもいかした演奏が
がっぷり四つに組み、まさにクリオージョ音楽の神髄を示す傑作となりました。
Los Aviles "¿DICEN QUE EL VALS SE MUERE?" Iempsa IEM0642-2 (2007)
2011-07-20 00:00
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