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セネガルのサボール アブライ・ンジャイ・チョサーン [西アフリカ]

Ablaye Njiaye Thiossane  THIOSSANE.JPG

ナイジェリアのファタイ・ローリング・ダラーに、どことなく似てませんか。
不良老人ぽい黒のサングラス姿がキマっている、
セネガルのアブライ・ンジャイ・チョサーンというこのシンガー、
本作が75歳にして初のソロ・アルバムだそうです。

セネガル第2の都市ティエスの出身、52年から音楽活動を始め、
66年に初代大統領サンゴールがダカールで開催した第1回黒人芸術祭で
アブライの曲“Tallene Lampe Yi” がラジオ・アンセムとなり、
一躍その名を知られるようになったそうです。

その後、音楽活動から身を引いて画家としての活動に専念し、
ウォロフの伝統文化をモチーフとした数多くの油彩、グワッシュを描き、
国連本部にもアブライェのタペストリーが飾られてるっていうんだから、すごいですね。
シアトルには、アブライェの絵を専門に扱っているギャラリーもあるそうです。

で、そんなアブライが長きブランクの果てに制作したデビュー・アルバムは、
オーケストラ・バオバブのメンバーの面々に、
元ハラムのスレイマン・フェイやシェイク・ティジャーン・タル、パパ・ノエルなどが参加した、
人肌のぬくもりが伝わるセネガリーズ・ラテン・アルバム。

サウンドは、もちろんすべて生。
サックス、ギター、アコーディオン、サバールなどのパーカッションが、
実にイキイキと、そしてナマナマしい響きを奏でます。
この温かなサウンドを、単に「ノスタルジック」などという形容では片付けたくありません。
アフリカ音楽の黄金期を支えてきた、
ヴェテランたちならではの演奏の芳醇さに、胸が熱くなります。

こんな優雅でさわやかなサウンドといえば、聞き覚えがありますよね。
そう、コンゴ音楽のブエナ・ビスタを演出した「ケケレ」ですよ。
案の定というか、アレンジはケケレを手がけたフランソワ・ブレアン。
こういうプロダクションは、フランソワ・ブレアンの真骨頂ですね。

アブライの歌は入れ歯声ぽいところもありつつも、元気いっぱいに歌っていて、
セネガルのサボールをたっぷりと溢れさせています。

Ablaye Njiaye Thiossane "THIOSSANE" Discograph/Syllart Productions 3247952 (2011)
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