21世紀に甦ったOK・ジャズ モセ・ファンファン [中部アフリカ]
今年はアフリカのヴェテランたちが続々と、感涙もののアルバムを出してくれますね。
ギネアのモリ・カンテに続いて、今度はルンバ・コンゴレーズのヴェテラン・ギタリスト、
ファンファンが8年ぶりの新作を届けてくれましたよ。
これがもう身悶えするしかない、すんばらしさなんでっす!
このふくよかさ! このまろやかさ!
こんなに人を幸せな気持ちにさせてくれるダンス・ミュージックが、世界のどこにあろうかってなもの。
ルンバ・コンゴレーズがもっとも輝いていた、60年代末から70年代前半にかけてのサウンド。
3管ホーンはOK・ジャズ往時のメンバーが揃い、なんとヴェルキス御大も参加しています。
まさしくファンファンがフランコのOK・ジャズに在籍していた時代の再現になっているわけですね。
後ろ向きと言わば言え。懐メロ、ソー・ホワット?
どんなヤユにも、もう開き直るしかありませんっ!
むしろルンバ・ロック以降のコンゴ音楽にしか触れていないファンにとっては、
このサウンドは「新しく」聞こえるんじゃないでしょうか。どう?
ファンファンが75年にコンゴを後にし、ルンバ・ロックの洗礼を受けることなく、
ザンビア、ケニヤ、タンザニアなどの東アフリカ諸国を転々として活動したことは、
ルンバ・コンゴレーズ・サウンドのテクスチャーを保ち続けた秘訣だったように思います。
とにもかくにも、この芳醇なサウンドに勝る音楽を、
コンゴの今の若手たちが生み出せていないのは事実なんじゃないかなあ。
ところで本作では、ファンファンが80年代にタンザニアのオーケストラ・マカシーに
在籍していた時代のヒット曲“Mosese” (本作には“Moses”と表示)が再演されているんですけど、
それを聴きながら、ふと疑惑がよぎりました。
ファンファンの名前 Mose Se Sengo Fan Fanのファースト・ネームを、
これまでずっと「モーズ」とフランス語読みしていたんですけれど、それって適切じゃなかったのかも。
“Djemelase” のコーラスも「ファンファン・モセ・セ」と、リンガラ語の発音で歌っているし。
ということで、今後はリンガラ語読みで、「モセ・ファンファン」と書くことにします。
Mose Fanfan "MUSICATELAMA" LAA LAA002 (2012)
2012-07-20 00:00
コメント(2)
とーーーっても「新鮮」に聴こえました!最高ですね。
by アルバイテン (2012-07-21 00:08)
何回聴いても、アタマの1曲目でシアワセ感いっぱいになって、
ナミダぐみそうになります。これは懐古狙いでできることじゃないですよ。
by bunboni (2012-07-21 08:58)