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秋の夜のお供 ヘッレ・ブルンヴォル [北ヨーロッパ]

Helle Brunvoll  Your Song.JPG

今年の秋の夜長の愛聴盤は3枚。

麗しい女性の歌もの2枚のうち1枚は、ルーシー・ファベリーの60年頃のシーコ盤。
名手フリオ・グティエーレスの伴奏で歌った極上ボレーロ集を、
エル・スール・レコーズが盤おこしとは思えない音質でCD-R化してくれました。
これがなんとも美味で、う~ん、ジャジー。
ボレーロをジャズぽいフレージングで歌うところは、ルーシーの得がたい個性ですねえ。
ルーシー・ファベリーは、今年になってもう2回も話題に取り上げたのでこのくらいにして、
今回はもう1枚のノルウェイの女性ジャズ・ヴォーカリスト、ヘッレ・ブルンヴォルのお話。

北欧のジャズ・ヴォーカリストというと、カーリン・クロッグやモニカ・セッテルンドを思い出しますけど、
案の定というか、ヘッレもこの二人に影響を受けているそうです。
でもヘッレは大先輩の二人とは持ち味が違って、
もっとインティメイトな雰囲気を感じさせる歌い手さん。

ジャズCDショップのコメントに、「クールで透明感あるヴォーカル」とかありましたけど、
北欧のシンガーという先入観で、ロクに聴きもせずにテキトーに書いたんですかね(怒)。
ふんわりと温かな歌い口がこの人の持ち味で、「クール」とは正反対の個性。
優しく隣に寄り添ってくれるかのような、柔肌のぬくもりが伝わるヴォーカルです。
メロディを素直に歌うところも好ましく、しっとりと歌うスタイルがワタクシ好みであります。

このアルバムはヘッレの2作目で、ギター・トリオをバックに歌ったもの。
全曲オリジナルの英語曲で、ヘッレの書いた1曲以外は、
すべてギタリストのハルヴァート・カウスランドとヘッレの共作。
ギタリストのハルヴァート・カウスランドは、歌伴らしく抑えたプレイでヘッレの歌に寄り添いつつ、
随所できらりと光るコード・ワークやソロを聞かせ、ジャズ・ギター・ファンの耳をそばだてます。

ここひと月くらいこのアルバムを聴きながら、この味わいって誰かに似てるなあと思って、
誰だっけとずっと考えていたんですけど、ようやくナンシー・ハーロウだと気付きました。
そういえばナンシー・ハーロウも、ジャック・ウィルキンスのギター・トリオを
バックに歌ったアルバムがありましたね。えーと、79年のオーディオファイル盤だっけ。

秋の夜のリラックスした時間に、最高のお供となってくれるアルバムです。

Helle Brunvoll "YOUR SONG" Prophone Norwegian Jazz PCD127 (2012)
コメント(2) 

コメント 2

dai626ku

試聴して良さそうだったので購入しました。
モニカやカーリンよりも、やはり聴いていたというブロッサム・ディアリーを
思わせるところがあり、BDファンに気に入ってもらえそうですね。
そういえばBDもノルウェー系でした。
by dai626ku (2012-11-10 11:38) 

bunboni

ブロッサム・ディアリーはリズムの鬼なので、
ヘッレ・ブルンヴォルの方がバラード向きかも。
by bunboni (2012-11-10 23:57) 

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