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蘇るイスタンブールのサロン オヤ・イシュボーア [西アジア]

Oya Isboga.JPG

いや~、トルコの古典歌謡、大充実じゃないですか。
シェヴァル・サムの新作を聴き惚れる毎日に、
またまた蕩けるような女性歌手のアルバムが届きましたよ。

83年生まれ、まだ20代の若さというオヤ・イシュボーアが
2010年に結成された「トルコ・コーヒー楽団」なるグループと共演したアルバム。
これが2作目というオヤは、揺れるメリスマも技巧的すぎない素直な歌いぶりで、
抑制の効いた落ち着いたヴォーカルが魅力です。

カーヌーン、ケマンチェ、ウード、チェロ、ピアノ、パーカッションなど、
純アクースティックなアンサンブルが、慈しむように旋律を奏でるのを聴くだけでも、
うっとりとしてしまいます。こういうふうに楽器を歌わせるのって、
ジャコー・ド・バンドリンのショーロと共通するものを感じますね。

古典歌謡を範とした楽団リーダーのオリジナル曲を中心に、
ゼキ・ミュレン作曲のタイトル曲なども含む、
ノスタルジックなムードの佳曲が並んでいるんですけれど、
サナート一辺倒というわけではなく、アゼルバイジャンの伝承曲など彩のあるレパートリーが、
アルバムの魅力を倍加させていますよ。

シェヴァルの妖しさいっぱいの歌のあとでオヤを聴くと、どこまでも涼しげで、
クセのないさっぱりした歌唱と、古き良き時代を思わすサウンドとの絶妙なマッチングに、
かつてイスタンブールのサロンを賑わせた歌姫もかくやと思わせます。

Oya İşboğa "YAĞMUR" Mag Yapı ve Sanat Evi no number (2012)
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