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ケニヤで活躍したコンゴの出稼ぎバンド オーケストラ・スーパー・マゼンベ [東アフリカ]

Super Mazembe Mwana Mazembe.JPG

うわ~、なつかしいなぁ、オーケストラ・スーパー・マゼンベ! 
78年のデビュー作“MWANA MAZEMBE” を手に入れた時のことは、今でもよく覚えていますよ。
大学卒業を控えていた年の正月だから、えーと、81年の1月ですね。
ケニヤ直送のレコードを日本で初めて輸入した、高円寺のアミナダブで買いました。

当時ケニヤ盤が日本で手に入るというのは、画期的なことだったんですよ。
あの頃のアフリカン・ポップスの輸入盤といえば、フランス・プレスのソノ・ディスク盤、
イギリス・プレスのデッカ・ウェスト・アフリカ盤、アメリカ・プレスのエディション・マコッサ盤など、
欧米でプレスされたレコードしか手に入りませんでしたからね。
アフリカ現地プレスのレコード、たとえばナイジェリアやガーナ、ザイール(当時)、
ケニヤ、南アといった国々のレコードを日本で手に入れるのは、不可能でした。

アミナダブでフランコやベンベヤ・ジャズなどのアフリカン・ポップスをせっせと買い込んでいたぼくに、
ある日、店主の山本さんが「今度ケニヤ盤が入るよ」と教えてくれた時は、
おぉ、やったぁーと、思わずガッツ・ポーズ。
ケニヤにどんな歌手やバンドがいるのかも、まったく知りませんでしたけど、
アフリカ現地のレコードを手にできると考えただけで、ワクワクしましたね。
初入荷のケニヤ盤を手にして、すぐさまジャケットの中の匂いをかいだもんですよ、ええ。
この気持ち、レコード好きならわかりますよねー。

その時に買ったのが、サンバ・マパンガラが在籍していたオルケストル・レ・キノワに、
サンバ・マパンガラとオルケストル・ヴィルンガのデビュー作“IT'S DISCO TIME”、
オルケストル・レ・マンゲレパのニセ・ライヴ
“AMUA!!! CHAFUA!!! CHAFUA!!! SHITUKA-SHITUKA” 、
そしてこのマゼンベの78年デビュー作“MWANA MAZEMBE”でした。
今考えれば、いずれも当時を代表する名盤ばかりで、
これを一挙まとめて手に入れたなんて、なかなかスゴイことだったよなあ。

Mazembe@45RPM.JPG   Orchestra Super Mazembe_Giants of East Africa.JPG

そんな昔の記憶がつい蘇った、ひさしぶりのマゼンベのリイシュー。
すでにマゼンベの編集盤は、01年にアースワークスから出ていましたけれど、
今回スターンズから出た編集盤は、
シングル盤のAB面を繋ぎ合せてコンパイルしたというスグレもの。
「繋ぎ合せて」というのは、当時のシングル盤が1曲をAB面に分けて収録していたからで、
アースワークス盤は、演奏前半部分のA面だけしか収録していませんでした。
これからダンス・パートというところでフェイドアウトしてしまうのは欲求不満でしたけれど、
今回のスターンズ盤では、曲後半のダンス・パートもたっぷりと楽しむことができます。

収録曲は1曲を除き、未LP化のシングル曲から選曲していて、
アースワークス盤とダブりがないのはありがたいですね。
編集を手がけたのが、東アフリカ音楽研究家のアメリカ人ダグ・パターソンと聞き、
思わずナットクしてしまいました。
ダグ・パターソンは、これまで数多くのケニヤやタンザニアのアルバム制作に携わってきた人で、
やっぱりこういう研究家が関わったリイシュー作は仕事ぶりが丁寧で、愛を感じさせます。

明るく澄んだギター・バンドにのって、みずみずしい歌とコーラスが疾走する
マゼンベのフレッシュなサウンドは、キンシャサで活動するバンドとは一味違っていました。
70年代後半から80年代前半にかけて、東アフリカ諸国を放浪しながら活躍していた、
コンゴ人出稼ぎバンドの名演が楽しめる1枚です。

[LP] Orchestra Super Mazembe "MWANA MAZEMBE" EMI KLP0514 (1978)
Orchestra Super Mazembe "MAZEMBE @ 45RPM VOL.1" Stern’s STCD3063
Orchestra Super Mazembe "GIANTS OF EAST AFRICA" Earthworks STEW45CD
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