ピラントラージェン二世 ウィルソン・シモニーニャ [ブラジル]
エジ・モッタの“AOR” と一緒に買ったのが、ウィルソン・シモニーニャ、5年ぶりの新作。
ジャイール・オリヴェイラとともに、新作が出るとつい買ってしまう人なんですが、
今回も期待にたがわず、ブラジルのシティ・ポップス(?)に仕上がっていました。
ある意味こちらの方が、ホントのブラジルのAORといえそうですね。
エジのサウンドはアメリカ西海岸になりきってて、ブラジル成分ゼロでしたけど、
シモニーニャの方は、サンバ・ソウル・ベースのメロウ・グルーヴなMPBであるからして。
ブラジルでこういうシティ・ポップス(?)をなんと呼んでたかといえば、
「ピラントラージェン」という、ちょうど都合のいい言葉がありましたよね。
ウィルソン・シモニーニャの父君ウィルソン・シモナールを中心として、
60年代後半から70年代前半に流行となったピラントラージェンは、
サンバをベースに北米ブラック・ミュージックの影響を受けたファンキーなサウンドで、
歌って踊れる音楽を目指したムーヴメントでもありました。
00年代にあいついでデビューしたウィルソン・シモナールの息子の
ウィルソン・シモニーニャ、マックス・ジ・カストロ兄弟や、
ジャイール・ロドリゲスの子供のジャイール・オリヴェイラ、
ルシアーナ・メロ兄妹などの二世たちが、
まさしくピラントラージェンの音楽性を継いでいるともいえるわけですよね。
ウィルソン・シモニーニャやジャイール・オリヴェイラのCDを部屋で聴いていると、
いつもじっとしてられなくて、手がパンデイロに伸び、一緒に叩いてしまうんですけれど、
そんな参加しないではいられないパーティ・ミュージックとしての楽しさが、
ピラントラージェンの肝でしょうか。
Wilson Simoninha "ALTA FIDELIDADE" Som Livre 2892-2 (2013)
2013-06-05 00:00
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