モダン・ジャズ流セカンド・ライン スタントン・ムーア [北アメリカ]
スタントン・ムーアって、ライヴで聴くと燃えるんだけど、
アルバムだとダイナミクスが半減どころか、7割引きぐらいされてしまって、
物足りないったら、ありゃしない。
サウンド重視じゃなくて、もっとドラムスのプレイに集中できるアルバムを
作ってくんないかなあと思ってたんですけど、
今度の新作は願ったりかなったりとなりました。
その内容は、なんとフォー・ビートのモダン・ジャズ。
いまどきのコンテンポラリー・ジャズじゃなくって、ひと昔前の「ダンモ」ね。
ピアノ・トリオで純ジャズのアルバムを出すとは意外でしたけど、
このシンプルなフォーマットが、スタントンのドラミングの魅力を全面に引き出しています。
フォー・ビート中心とはいえ、そこはニュー・オーリンズのドラマーであるスタントンのこと、
セカンド・ラインのリズムをふんだんに取り入れて、
ニュー・オーリンズ・スタイルをたっぷり楽しませてくれます。
徹底したオールド・スクールなアルバムなんだけど、
キレのいいドラミング、色彩感のあるアレンジに、
モダン・ジャズの古臭さや手練れのレイドバック感はなく、
いい意味での緊張感がアルバム全編を通してピシッと貫かれていて、胸をすきます。
ファンク・バンドのドラマーと思って聞いたらびっくりなアルバムですけど、
ジャズを通過したドラマーであるスタントンにとっては、いつか挑戦すべき企画だったんでしょうね。
それが自身の最高作となったのは、スタントンのどや顔を見るようで、
恐れ入りましたというところでしょうか。
Stanton Moore "CONVERSATIONS" The Royal Potato Family no number (2014)
2014-05-01 00:00
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