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アフロ・オリエンタル・ポップ シェブリ・ムサイディ [インド洋]

Chébli Msaïdie  HEZA.jpg

うわぁ、すごく軽やかになったなあ。
コモロ(グランド・コモロ島)出身のシンガー、シェブリ・ムサイディの新作。
前作でもアクースティック主体のヌケのいいサウンドを聞かせていましたけど、
本作はさらに前作の路線を推し進めて、
シンプルなサウンドを保ちながら、より完成度をあげることに成功しましたね。

シェブリ・ムサイディはフランスのアフリカ音楽レーベル、ソノディスク社のプロデューサーで、
パパ・ウェンバやコフィ・オロミデなどのプロデュースを務めるかたわら、
ソロ・アルバムを制作してきた人です。
ソロ・デビュー当初は、スークース調の無国籍風アフロ・ポップといった感じで、
あまり興味を持てなかったんですが、前作の“HALLÉ” からプロダクションがぐんと良くなりました。

今作もアクースティック・ギターを軸に、ソプラノ・サックス、アコーディオン、親指ピアノのサンザに
男性/女性コーラスなどを曲によりフィーチャーして、爽やかな海洋性ポップを聞かせます。
リシャール・ボナの影響をうかがわせるコーラス・ワークなど、
ナイーヴな美しさに満ちたサウンドの心地よさは、もうパラダイス気分になりますね。

前作では自身のルーツであるターラブを歌っていましたけれど、今回はターラブはなし。
かわりに、ムラユぽいメロディをチャチャチャにのせて歌う“Parfum” のほか、
ハワイ音楽を聴いているような錯覚を覚える“Mungu” など、
コモロ人らしいインド洋文化混淆の音楽性をさりげなく示しています。
う~ん、アフロ・オリエンタル・ポップでしょうかね。

異色のトラックは、コロンビアのボゴタでリミックスしてチャンペータに仕上げた“Ulaya Colombia”。
ルンバ・コンゴレーズとチャンペータをミックスするとは面白い試みです。
元バントゥー・ド・ラ・カピタールのヴェテラン・シンガー、テオ・ブレイス・クンクをゲストに迎え、
デュエットしたルンバ・コンゴレーズのラスト・ナンバーまで、あっという間の13曲。
長年のプロデューサー業の手腕が冴えたインド洋ポップスです。

Chébli Msaïdie "HEZA" Weedoo no number (2013)
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