ミニ・ジャズ最古のバンド レ・フレール・デジャン [カリブ海]
ここのところハイチ音楽の編集盤がたて続けに出ていますね。
イギリス、ストラットの“HAITI DIRECT : BIG BAND, MINI JAZZ
& TWOUBADOU SOUNDS 1960-1978” に続き、
“HAITI GOES LATIN : SALSA, LATIN JAZZ
AND FUNKY COMPA 1976-1984” が出ました。
コンパ黄金時代といえるこの当時のハイチ音楽は、
80年前後に一部のファンの間で話題になりましたけれど、
以後メディアにのぼることもなくなったので、若い人はほとんど知らないはず。
以前「ハイチ音楽名盤40選」という記事を書いたこともあるんですが、
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2010-02-23
ＣＤがすでに入手しにくい状況となっていたので、この２枚は絶好といえます。
２枚の選曲リストを眺めて嬉しくなったのが、
ぼくのごひいきバンド、レ・フレール・デジャンの曲が収録されていたこと。
特に“HAITI GOES LATIN” の方は、全12曲中半数の６曲が
レ・フレール・デジャンという偏愛ぶりで、ご同慶の至り。
レ・フレール・デジャンの代表作といえば、かつて日本盤も出た“BOUKI AC MALICE” です。
ヴードゥーのパーカッション・パートを加えた“Qu'est-Ce Que La Vie” あり、
クロスオーヴァー／ファンクを大胆に取り入れた“Mots Creoles” ありと、
いつものカジュアルなコンパ・アレンジとはひと味違う意欲作に仕上がっていました。
“Mots Creoles” のホーン・アレンジが、当時流行ったアメリカのＴＶドラマ
『刑事スタスキー&ハッチ』のオープニング・テーマ（by トム・スコット）
にもちょっと似ていたりして、カッコよかったんですよねえ。
99年のライヴ盤でも、本作の６曲中３曲を再演していたくらいなので、
デジャン兄弟にとっても、本作がかけがえのないアルバムであったことは間違いありません。
でも、“HAITI GOES LATIN” には、このアルバムの曲が収録されていなくて、
もっとカジュアルなアレンジで演奏したマカヤ盤から選曲しているんですね。
よりリラックスした自然体のデジャンの曲を聞かせようということなんだろうな。
アルバム・タイトルどおり、よりラテンの香りのする曲が選ばれています。
収録曲のオリジナル盤はこちら。この選者、本当にデジャンが好きなんですね。
ほとんど知られていませんが、レ・フレール・デジャンは今なお活動を続けています。
ハイチでエレキ・バンドがブームとなったミニ・ジャズ・ムーヴメントを背景に、
63年に結成されたレ・フレール・デジャンは、現存するミニ・ジャズの最古参バンドです。
もちろんメンバーはかなり入れ替わっていますけれど、
リーダーのサックス奏者で兄のフレッドとトランペット奏者の弟のアンドレ・デジャン兄弟は不動です。
Les Freres Dejean "BOUKI AC MALICE" Rotel CD3376 (1977)
Frères Dejean "LIVE" Chancy CRCD1026 (1999)
Les Frères Déjean "PA GAIN PANNE" Superstar SUPCD105 (1975)
Les Frères Déjean "INTERNATIONAL" Macaya 134 (1976)
Les Freres Dejean "L’UNIVERS" Macaya 148 (1979)
Les Freres Dejean "NON STOP" Macaya 150 (1980)
2014-07-24 00:00
コメント(4)
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自分がハイチ音楽を聴くきっかけになったのがミニ・オール・スターズのジェネラシオン７０で、そのメドレー中の１曲がレ・フレール・デジャンのマリーナでした。５年前にミニ・オール・スターズが来日しましたが、アンドレ・デジャーンも来ていたんですね。見ておいて良かったです。
by えすぺらんさ (2014-07-24 22:47)
ミニ・オール・スターズは日程があわなくて観れなかったんですが、良かったようですね。レ・フレール・デジャン、来日しないかなあ。
by bunboni (2014-07-24 22:57)
僕はタブーコンボを見たのが忘れられません。
by なる (2014-07-26 20:58)
オスカル・デ・レオンと一緒の日比谷野音、懐かしいですね。
by bunboni (2014-07-26 21:25)