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ブラジル音楽の包容力 ブレクレー [ブラジル]

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すごいな、ブラジル新世代。

ブラジル北部セアラー州の州都フォルタレーザのグループ、
ブレクレーが4年前にリリースしたというデビュー作を聴いて、
その高度な音楽性にビックリしてしまいました。
アントニオ・ロウレイロをはじめとする新世代ミナス派に食指の動かないぼくも、
このグループはココロ惹かれました。

めちゃくちゃ知的な音楽を作る連中なんですけど、そのアプローチが自家中毒をおこしてなくて、
ちゃんとポップ・ソングとして昇華させているところが、いいんです。
ポップかそうでないかが、ぼくにとっての評価の分かれ道。

現代音楽を通過したハーモニー感覚や、不協和音を大胆に取り入れながらも、
土台となっているバイオーンやマラカトゥなど北部のリズムや
サンバの伝統リズムがしっかりしているので、安心して聞けます。
ブラジルのフォルクローレを題材とした実験作、みたいなのがぼくはとても苦手なんですが、
このバンドにそういう志向はないみたい。
そこが、エグベルト・ジスモンチやエルメート・パスコアールを受け付けない
ぼくでもOKな理由かもしれません。

すごく知的な音楽ながらも、ポップスとして成立している魅力のひとつは、
ヴァーカルが全員アマチュアぽいところでしょうか。
これって、ノエール・ローザからカエターノ・ヴェローゾに至るまで、
ブラジル大衆音楽が持つ伝統的な感性のひとつだと思いますね。
そこにぼくは、伝統を固定化させず、
自由な気風を受け入れるブラジル音楽の包容力を見る思いがします。

Breculê "VIDAS VOLANTES" no label no number (2010)
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