SSブログ

アナザー・サイド・オヴ・ヴェルキス&オルケストル・ヴェヴェ [中部アフリカ]

Verckys Et L’Orchestre Veve.jpg

サミー・ベン・レジェブが、ついにやってくれましたよ。
以前、サミーが主宰するレーベル、アナログ・アフリカについて、
なんでB・C級ミュージシャンばかり復刻するのかと、ブーたれたことがありますけど、
新作はなんと、アフリカン・ポップス大物中の大物、コンゴ・ルンバレーズのヴェルキス。
サミーのしてやったりな顔が目に浮かびます。

LP『パリのヴェルキス』(African 360.032)のジャケットから取った、
ギターを弾くヴェルキスの写真もカッコよく、嬉しくなりますねえ。
このLPからは、ブリッジがエイト・ビートになる“Nakobala Yo Denise” が収録されています。
そして、アルバム・タイトルが『コンゴリーズ・ファンク、アフロビート&サイケデリック・ルンバ』
となっているだけあって、一筋縄ではいかない選曲と想像はしてましたけど、
これほど意外な仕上がりになっているとは。さすがサミーが手がけただけのことはあります。

1曲目からいきなりのアフロビート、さらに怒濤のファンク・チューンや
インストのファンク・ブルース・ナンバーなど、
甘くとろけるハーモニーが売りの美しいルンバとは、がらりと様相を変えた姿を見せてくれます。
当時ジェイズム・ブラウンがコンゴ音楽に与えた影響は大きく、
もっとも感化されたのはロシュローでしたけれど、
あのフランコでさえもJBばりのファンクを録音しているので、
ヴェルキスがファンクをやっていても、確かになんの不思議もありません。

とはいえ、これまでそうした録音が世に出ていなかったので、
じっさいに音として聴くと、びっくりしますね。
こうした録音がケニヤ向けに行われていたことを初めて知りました。

あえて難を言うと、曲順でしょうか。
まったくムードの異なるファンクとルンバが交互に出てくると、
なんともアルバムの流れが悪く感じます。
ファンク系の曲はまとめた方が良かったように思います。

今後もサミーには、一級品のアフリカン・ポップスの発掘をお願いしたいところ。
思えば、アナログ・アフリカの初リリースは、
ジンバブウェのザ・グリーン・アロウズとハレルヤ・チキン・ラン・バンドだったので、
ジンバブウェ独立前の南ローデシア時代に活躍した歌手たち
をフォーカスしてくれると嬉しいんだけれど。
とくに、南ア音楽に影響された南ローデシア時代のタウンシップ・ポップスは
まったく未復刻なので、発掘しなきゃいけません。
そうした音源が明かされれば、オリヴァー・ムトゥクジが登場したのもよく理解できるはずです。

Verckys Et L’Orchestre Veve "CONGOLESE FUNK, AFROBEAT & PSYCHEDELIC RUMBA 1969-1978" Analog African AACD077
コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。