お婆サンバにあったまる ドナ・イナー [ブラジル]
マラニョンの女性サンビスタ、パタチーヴァが気に入って、
お婆サンバをもう少し聴きたくなりました。
そこで棚から出してきたのが、サンパウロのお婆ちゃんサンビスタ、ドナ・イナーです。
04年に69歳でデビュー作“DIVINO SAMBA MEU” を出したドナ・イナー。
そのデビュー作では、ノエール・ローザやアリ・バローゾの古典サンバに、
カルトーラやネルソン・カヴァキーニョなどのサンビスタの曲を歌い、
音楽監督を務めたサンパウロ・ショーロ界の実力者ゼー・バルベイロの
ショーロの香り高いアレンジが、聴きものとなっていました。
その後、08年に2作目のエドゥアルド・グジン曲集を出し、
11年に3作目の“FONTE DE EMOÇÃO” をリリース。
これが、ぼくの一番好きな彼女のアルバムです。
1・2作目では枯れた歌声だったのが、
少し潤いを含んだ柔らかくふくよかな声で、リラックスして歌っているんですね。
寒い冬にはぴったりの、ぬくもり伝わるお婆ちゃんのあったかな声です。
またこのアルバムが嬉しかったのは、
モナルコとデルシオ・カルヴァーリョがゲストで1曲ずつ歌っていること。
特に、ひさしぶりに聴いたモナルコの元気な歌声には、ジンときてしまいました。
デルシオ・カルヴァーリョ、イヴォール・ランセロッチ、
テロッカなどの佳曲が並んだレパートリー、
若手サンバ/ショーロ・グループ、カデイラ・ジ・バランソの伴奏に、
ゼー・バルベイロのディレクションと申し分の内容で、
サンバ好きにはたまらないアルバムです。
Dona Inah "FONTE DE EMOÇÃO" Pôr Do Som/Atração ATR37046 (2011)
2014-12-25 00:00
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