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21世紀の『エッグズ・オーヴァー・イージー』 スキッパーズ・アレイ [北アメリカ]

Skipper’s Alley.jpg

ジャケ買いです。
まったくの素性知れずでしたけれど、ジャケットを一目見て飛びついちゃいました。

70年代アメリカン・ロックを体験した者には、たまらんでしょう、コレ。
構図は、ザ・バンドの『ムーンドッグ・マチネー』。
でも、あのジャケットのような賑やかなダウンタウンの雰囲気じゃなく、
郊外の静かな町といった風情は、『エッグズ・オーヴァー・イージー』の方が近いか。
でも看板はペプシじゃなくてコカ・コーラだから、そこは『ムーンドッグ・マチネー』と一緒かな。
もっとも外看板じゃなくて、店内のケースの看板だけど。

一部の音楽ファンにしか通じなさそうな、トリビア話題はここらにして。
そんなセヴンティーズを思い起こさせるジャケットの主は、
ダブリンで13年に結成されたばかりという、7人組のアイルランド伝統音楽グループ。
紅一点のハープを除き、イリアン・パイプス、フィドル、ギター、コンサーティーナ、
バンジョー、バウロンのメンバーは全員男性。

デビュー作にしてすでにスキルは十分で、
冒頭のジグのメドレーから、各楽器とものびのびと演奏しています。
メンバー全員が自由に即興している様子がダイレクトに伝わってきて、
その演奏ぶりはなんともフレッシュ。すがすがしいですね。
一方、歌ものは演奏の添え物的に置かれていて、その余興ぽさがまたいい感じ。
哀感のあるメロディを、飾り気なくアマチュアぽい素朴さで歌うところに味があります。

それにしても、このジャケットの構図、
『ムーンドッグ・マチネー』や『エッグズ・オーヴァー・イージー』を知らずに作られたのだとしたら、
それはそれでちょっと感慨深くもあります。
こんな何気ない街角の風景が、都会暮らしの者の原風景なり心象風景の証しなんでしょう。
通りにゴミひとつ落ちていない清潔さが、セヴンティーズと違う21世紀らしさでしょうか。

Skipper’s Alley "SKIPPER’S ALLEY" Skipper’s Alley SACD002 (2014)
コメント(2) 

コメント 2

Astral

てっきりパブ・ロックのCDかと思っちゃいました。
10年以上前ですが、訪れたアイルランドの街角はどこもこんな感じでしたね。ダブリンでさえ下町風情がただよう都会でしたから。
そんな風景の中で伝統音楽がちゃんとリアリティを持っている国なんですね、アイルランドという国は。
by Astral (2015-03-13 21:46) 

bunboni

インディが活発なアイルランドの音楽環境がうらやましく思えますね。
実情をよくわかっていない者の感想にすぎないですけど、音楽産業が巨大になりすぎることなく、適度な規模で営まれているようで、健全な印象があります。
by bunboni (2015-03-13 22:18) 

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